◇.切り替え早すぎ ページ6
｢あの雲、アイスクリームみたい…｣
｢あっちはハンバーガーみたいだな！｣
なんでどっちも食べ物なのか、特に理由はないけれど…
まぁ、こんな話をしてたらお腹空いちゃうよね。
｢切島〜、なんか食べに行こ。｣
｢そうだな、腹減ったし行くか！｣
そうです。"腹が減っては戦ができぬ"そして"空腹は最大の敵"なのです。お腹がすいたならなにか食わねば……
｢よし、降りるか！｣
｢鞄を取りに行かないと…。｣
そうして、私達は屋上をというか学校を出て、ラーメン屋に行くことにした。普通は、ハンバーガーやアイスクリームを食べに行くと思うだろうが、予想の斜め上を行くのが私の恋人、切島なのだ。
何故切島と付き合いだしたのか全く覚えていない。けれど、いつも気付いたら切島が隣にいて、私もいつしか切島の隣以外は考えられなくなっていた、ただそれだけの事。
もともと仲良しだし、まぁ喧嘩したりするけど…けど喧嘩するほどなんとやらですよ。うん。とにかく、本音で語り合える存在というのは私にとってとても重要なもの。
｢なぁ、A！｣
｢ん？なに？｣
｢いっつも思うんだけど、お前って二重人格なのか？｣
｢………ん？｣
｢訓練の時は無茶苦茶すげぇのに、普段びっくりするくらい無気力だからさ、気になって！｣
……こいつが言わんとすることはわかった。が、そんなわけねーだろ！！onとoffの使い分けがしっかりしてるだけで、別に二重人格者なんかじゃねーよ！？
とか、頭では考えてるけど口に出すのが面倒くさい。
｢ちげーし、on、offの切り替えが上手いんだよ。｣
と伝えると、"なるほどな！"と、いい笑顔で言われてしまった。………ッ。不意打ちつかれて思わずドキッとしちゃった。くそっ、これだから顔の良い奴は！！
悔しいから、仕返しをしてやる！付き合っているからといって、"キャッキャッウフフ"ってしてる訳じゃないんだ！！
｢…！？、な、何してんだ、A！？｣
｢なにって、手繋いだだけでしょ？｣
｢いや、だって！お前から手を繋いでくるのなんて……今までなくてびっくりしたっていうか……。｣
後半何言ってるのかよく聞こえなかったけど、仕返しは大成功のようだ。ざまーみろ！！
｢それより、早くラーメン屋行こ。お腹空いた…。｣
と、切島の手を引きながらラーメン屋に向かった
2019/9/21 風薙
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作者名：風を薙ぐ硝子売り x他1人 | 作者ホームページ：
作成日時：2019年9月16日 23時
