続き ページ4
(伊藤 side)
教室に戻っても居なかったので仕方なく学校を出て探す。
｢ったくどこ行きやがった……｣
今日は諦めるか？と思った時、狭い路地をとぼとぼと歩いている小さな背中を見つけた。
気づかれないようゆっくりと近づき、逃げられないように手首を掴む。
｢？！っい、伊藤！｣
｢全くこんな所まで探しにこさせやがって。……さっきは悪かったよ｣
｢べ、別に気にしてない！！｣
思い出したのか、ほんのりと染まる頬に思わずニヤける。強がってる時のコイツはなんだか可愛い。
｢……手首、離して｣
｢離したらお前逃げんだろーよ｣
｢な、逃げないよ！｣
｢ほんと？｣
｢ほんと！！｣
おし分かった、と手首を離すと、Aが逃げる体勢に入ったのが分かる。片足を少し引いていつでも方向転換する準備をしている。いつもより余裕が無いからなのか、バレバレだ。
そして、俺がわざと目線を逸らすと素早く走り出した。
｢ばーか、今のはわざとだよ｣
｢？！ちょ、｣
すぐにまた細い手首を捕まえて、ぐいっと自分の方に引き寄せる。
｢A、逃げねぇって言ったよな？でも今、逃げようとしたよな？｣
｢や、その……｣
距離が近いのが気になるのか、顔を反らしてもう一方の手で弱々しく俺の身体を押し返してくる。
｢さっき嫌いって言われて、嘘つかれて、傷ついたなー｣
｢…なに言ってんの、なんか今日伊藤変だよ｣
｢別に変じゃねぇって。……ただちょっと見てみたいだけ｣
｢は……？｣
A、と名前を読んで顔を上げたところで、今度は頬に唇を落とした。
｢…っ？！？！｣
さっきみたいに首まで真っ赤になって口をパクパクさせているA。
頬を手で抑え俺を困惑した目で見上げてくる。…こいつちっちぇーんだなぁ。
｢お前ちゃんと女なんだな｣
｢は？！なんなの！！？もう！！！｣
訳が分からない、といった様子のAはいつも見ているニヤニヤとした顔よりも何倍も魅力的に見えた。
｢、もう離してよ！！｣
と言いながら片腕で殴りかかってきたのでそれを難なく受け止め、むしろそれを引っ張って更に身体を近づける。動揺して殴る気が無くなったのを確認してからこの細っこい背中に腕を回した。
どうしたんだろ、俺。
｢…ねぇ伊藤、どうしたの？なんか、変｣
Aもさっきまでとは違いすっかり大人しくなってしまった。
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莉亜(プロフ) - はじめましていつも楽しく読んでいますぜひ谷川さんのお話がみたいです!これからも頑張ってください！ (2019年1月1日 14時) (
レス) id: 017ccb7948 (このIDを非表示/違反報告)
ハーレクイン(プロフ) - 更新頑張って下さい！応援しています、 (2019年1月1日 3時) (レス) id: 6e522d86ed (このIDを非表示/違反報告)
ハーレクイン(プロフ) - 作者様の今井さんオチ小説からきました！素敵でした！ほんとにこういうの待ってました！！今井さん最高！！できたら、束縛激しめ相良さん書いて欲しいです！今井さんの話も見れるだけでとても有り難いので、書いてもらえたら嬉しいです！ (2019年1月1日 3時) (レス) id: 6e522d86ed (このIDを非表示/違反報告)
メロンパン - 伊藤と三橋の本当の顔を知っちゃったら･･･でお願いします！ (2018年12月29日 14時) (レス) id: e9a1259486 (このIDを非表示/違反報告)
わらびもち子(プロフ) - 莉亜さん» 谷川さん...！！書くとなったらのんびりほんわかなお話になりそうです笑ご意見ありがとうございます！ (2018年12月23日 23時) (レス) id: 8a68cf3e08 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：わらびもち子 | 作成日時：2018年11月28日 23時
