ランクアップは望まない。【今日から俺は!!】

20話、 ページ21

今日はホームルームが終わるのが早かったので校門で三橋君を待とうと決め、下駄箱で靴を履き替える。


今日はどこに行こうかなぁ、というかいつまでもこうしていて良いのだろうか、と思考を巡らせていると青色の二人組が目に入った。


……いや、私に会いに来たわけじゃないかもだし。うん、そろっと行けばバレずに｢A！！｣無理かぁ。


あからさまに嫌な顔をしてみるが、気にしていないようでズンズンとこちらに近づいてくる今井君。とそれにちょこちょこと続いている谷川君。

逃げられないな、と諦めて二人に向き直る。


｢……なんでここにいるの｣
｢お前に聞きたいことがあってきた！！！｣
｢……聞きたいこと？｣


横にいる谷川君は｢いきなり聞くんですか？！｣と慌てているが、今井君がそれに構う様子はない。


｢お前、この前俺にビンタしたろ｣
｢……そうだね。それが何か？慰謝料でも払えって？｣
｢違ぇよ！！……お前、泣いてたろ｣
｢！……泣いてないよ｣
｢いーや泣いてた！なんでお前が泣くんだよ？痛かったのは俺だぞ？！｣


心底不思議そうに聞いてくるコイツに再びビンタをお見舞いしたくなるが、ぐっと堪えてもう一度｢泣いてないけど｣と繰り返した。


｢泣いてた！！！｣
｢泣いてない｣
｢泣いてたって！！！｣
｢だから泣いてないってば！！｣


小学生の様な言い合いをする私達に周囲の視線が突き刺さる。

｢……なんか見られてないか？｣
｢当たり前でしょあんた目立つのよ！｣
｢あの、場所変えたらどうです？｣

それまで黙ってそばにいた谷川君が提案をしてくれる、が

｢だめだよ、私三橋君待たなきゃ｣
｢お前まだ三橋と遊んでんのか？！｣
｢別に良いでしょ｣
｢だからアイツはやめとけって！！！｣
｢はぁ？！アンタには関係ないって何度言えば分かんのよ！！｣


ぎゃいぎゃいと騒ぎ立てる私達に痺れを切らしたのか、谷川君は｢俺が！三橋に伝えときますから！！どっか行ってくださいもう！！！｣と無理やり学校を追い出された。

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