どうやらゲームと漫画のオタクが海賊の世界に転生トリップしたようです】 (ページ16)

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番外編・続ページ16

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今日中ならいつでも渡せるだろうと思って気を抜いたのがダメだった
結局朝から一度も顔を合わせないまま夜になっちゃった

『………結局、渡せなかったなぁ…イゾウさん、今日忙しくしてたみたいだし…仕方ないか。また来年に期待しようかな…』

オヤジさんから私用に特別にって宛てがわれた部屋に置かれた机に置いたままにされてるチョコを意味もなく眺めてみる

『…もうすぐ日も回っちゃうし…勿体ないな。私だけで食べちゃお』

自分でやったラッピングを丁寧に開けて箱の中からチョコを一つ摘んで食べる
洋菓子みたいな甘さがダメなイゾウさんに合わせてちょっと苦めのを用意したから口の中で溶けたチョコの苦味が舌にくる

『……にが…』

ちょっと感傷気味になってるからか普段なら気にならないその苦味も今はすごく苦いと思ってしまう
ちゃんと渡したかったなぁ……
まだ、私しか意識してないのかもしれないけどいつかちゃんと渡せたらいいな……なんて思ってみたりもする
案外こういうのは大丈夫だと思ってた私も女々しいらしい

『……こんなこと言ってても馬鹿らしいや。ちょっとだけ外の風に当たってから寝よっと』

こうやって一人言を言ってるのすらも寂しくなってきて、気を紛らわすために外に出てみた

『あー……まだちょっと寒いな…なにか着てくれば良かった』
ｲｿﾞｳ「お嬢？」

上の方から今日一番聞きたかった声が聞こえた
そっか…今日の不寝番は16番隊だったな。すっかり忘れてた

『イゾウさん……』
ｲｿﾞｳ「今日は特に冷え込むぞ？何かあったのか？」
『……いや、中々寝付けなくて夜の風に当たりに来ただけだよ』
ｲｿﾞｳ「そうか。風邪をひくといけないからこれでも羽織っときな
ないよりはマシだろう」
『いや、これイゾウさんの羽織…』

これを私に渡してしまったら今度はイゾウさんが薄着だ
私は推しが体調不良になる方が無理

ｲｿﾞｳ「なに、これくらいじゃ風邪なんかひかねぇから気にしないでいいさ」
『いや、それは私が無理です
私もう部屋に戻って寝ますからこれはイゾウさんが』
ｲｿﾞｳ「なら、こうすれば問題ねぇな？」

羽織を下ろしてイゾウさんに押し返していると私を抱き込んでイゾウさんごと羽織で包まれた
ｱｯｯｯ…無理…いい匂いする…死…

ｲｿﾞｳ「……今日はバレンタインだったな」
『…そうですね』
ｲｿﾞｳ「俺ァ忙しくてすっかり忘れてたが、何かみんな今日一日機嫌が良かったな
なにかしたのか？」

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