▽ ゲスな三角関係。△ (ページ6)

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三日月ページ6

お湯を入れて３分待っただけのカップ麺を食べ終わって

やることもないのでスマホとお財布だけを持って外に出た。

真冬の午後２時の世界は

太陽が空のてっぺんまで登ってるのに

全然あったかくない。

.

あてもなく歩いていると

いつしか空は分厚い雲に覆われていて

雪が降っていた。

目の前にある公園で遊んでいる子供達は

雪ではしゃいでいる。

.

寒いしもう帰ろうかな、とこれまで歩いて来た道を戻ると

「……あ」

深瀬くんがいた。

「また偶然だね」

なにがそんなに面白いのか

深瀬くんは目を三日月みたいにして

あの可愛い笑顔であはは、と笑うから

ついついこっちもふふ、と笑ってしまう。

「何してたの？」

って聞かれたから

「なんとなく歩いてた」

って言うと

「おれもだよ」

そういって笑った。

さきに帰っちゃったことに触れないあたりが優しいんだなぁ、と思った。

「じゃあ一緒に散歩する？」

どきどきしながら誘ってみると

「いいよ」

と言ってくれたので

２人、肩を並べて歩いた。