▽ ゲスな三角関係。△ (ページ4)

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嫉妬ページ4

長い長い始業式が終わった。

教室に戻ると隅っこのほうで

深瀬くんと少し身長が低めの女の子……確か、藤崎彩織が喋っていた。

「あ、佐藤」

こちらに気づいたらしい深瀬くんがわたしの名前を呼ぶ。

「こいつ幼馴染みなの」

隣にいた彩織の肩に手を回す。

「彩織ちゃんとか彩織って呼んでくれたらいいよ！仲良くしてくれたら嬉しいな」

その子は嬉しそうに言う。

なんなのよ、幼馴染みだからかわからないけどベタベタくっつきすぎじゃない。

こう考えるあたりが性格悪いなぁって思う。

.

帰り際、教室を出ようとすると

「ねぇ、一緒に帰らない？」

あとから「深瀬もね」と付け足して彩織が誘ってきた。

「あ、わたし早く帰らないといけないから……」

でも二人の邪魔をしたくなかったので先に帰ることにした。

「そっかぁ……」

彩織が悲しそうに言った。

「ごめんね」

一言つぶやいて

教室を出た。

.

家から学校まではそんなに遠くないのでわたしは徒歩通学だ。

歩いて15分ほどで家に着いた。

「ただいま～」

というと『おかえり』という学校が早く終わったらしい妹、由香の声が聞こえてきた。

外が寒すぎるのか、家の中は外と比べ物にならないくらい暖かかった。