47.仲直り ページ49
side緑谷
かっちゃんとの話を終え、教室へ戻って帰りの準備をしようとターンをする。
今日もAちゃんとは一緒に帰れないのだろうか。
最近、やけに避けられている気がする。気がするというか、多分避けられている。
それは昨日からの事で。
大方予想はついている。僕の"個性"だ。
オールマイトから授かったことはもちろん、僕はAちゃんに、個性がある事を言っていなかった。
向きを変えたところで、昇降口の所に人影を見つけた。
初めは気づかなかったが足を進めるうちに顔がはっきり見えた。
その瞬間、Aちゃんとバッチリと目が合う。
なんだか足が動かなくなってしまった。
＿＿＿＿＿。
『出久、ごめん』
長い沈黙を破るAちゃんの声。
予想外の言葉に耳を疑った。
｢へ！？Aちゃん！？｣
謝るのは僕の方なのではないのか！？
『出久が無個性だからって、下にみてた。それとは別に、ずっと前から出久は弱いから、私が守ってあげなきゃ、みたいな認識してた』
表情を変えずに淡々と呟いていく。
その声は透きとおっていて、それでいて重みのある声だ。
『でも今日、勝己との戦闘観てて、そんなん自分が優越感に浸ってるだけだなって思って』
『出久は、強いね。私なんかより、全然。いや、強くなったのかな。ほんとに、強くなった。だから、ごめん！』
ぽつぽつと、出てくる言葉。
なんとも言えない複雑な気持ちに胸が締め付けられた。
｢Aちゃん、僕もごめん｣
『え…？』
きょとんとした表情のAちゃん。
｢今の話、聞こえてた…よね、僕の個性、人からもらったもので。ちょっと事情があって言えなかったんだけど、Aちゃんは僕に教えてくれたのに…って、罪悪感が凄くて。いつか教えなきゃって分かってたんだけど…ぁあ！！｣
突然の僕の大声に方をびくっと震わせるAちゃん。
｢言い訳は要らないんだ…ほんとにごめん！｣
言いたいことを言えた。
僕がスッキリしていると、
『なんか、スッキリした』
そこには、いつものAちゃんの笑顔があった。
『出久、帰ろっか。』
わずか一日ぶりに呼ばれる自分の名前。
やっぱりAちゃんの口から呼ばれるのが一番好きだ。
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筍(プロフ) - 波瑠さん» ありがとうございます (2019年3月21日 1時) (
レス) id: 1e3fb893f2 (このIDを非表示/違反報告)
波瑠(プロフ) - 18席と推薦に２席で２０人 (2019年3月1日 19時) (レス) id: 977f6c68bb (このIDを非表示/違反報告)
筍(プロフ) - ロムさん» 楽しんでいただけて幸いです (2017年7月12日 0時) (レス) id: 515ac75390 (このIDを非表示/違反報告)
ロム - 作者様の小説のおかげです。ありがとうございます！ (2017年7月9日 19時) (レス) id: 693a45f20e (このIDを非表示/違反報告)
ロム - ああっ！更新されてる！とパソコンの前で叫んだ私は、今日も正常に動いています。 (2017年7月9日 19時) (レス) id: 693a45f20e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：筍 | 作成日時：2017年6月19日 1時
