39.担任 ページ41
sideA
｢へぇ、じゃあAは、中学の時に個性発覚したんだ｣
あの素敵な出会いから十数分。
響香とはわりと簡単に打ち解けた。
『そそ、まぁ前から一応あったみたいなんだけどね』
手を握ったり開いたりしながら苦笑いする。
｢お友達ごっこしたいなら他所へいけ｣
どこからか聴こえた声も曖昧にしか耳へ入らないほど、私たちは話に華を咲かせていた。
｢ハイ静かになるまで8秒かかりました。時間は有限。君たちは合理性に欠くね。｣
そう言って寝袋のようなものから出てきたのは、痩せ細っているなんだか小汚いおじさん。
どうやってこの教室までたどり着けたのかが実に謎である。
｢担任の相澤消太だ。よろしくね｣
『た、担任？？？』
｢まじで？？あれが？｣
失礼な言葉を同時に発した私達に相澤先生の視線が移る。バッチリ目が合った。
入学初日からやらかした気分だ。
相澤先生は視線を戻すと、私達にグラウンド集合とだけ言い残し、教室を出ていってしまった。
｢Aちゃん、だよね？凄く美人だな〜って思ってたんだ！！入試の時もモサモサ君の隣にいたよね｣
更衣室での着替えは、女子の仲を縮めるのに適している。
『Aでいいよ、麗日さん。それと美人じゃないし、モサモサくんって…』
モサモサくん、という出久の頭を指すあだ名に笑いを堪える。辛い。
｢まじか！じゃあAちゃんって呼ぶね！！うちのことはお茶子とか茶とか適当に呼んでやってください｣
『じゃあ、お茶子って呼ぶ』
中学までは友達なんていなかったし、そもそも人と関わるのはそんなに好きではないので、要らなかった。
でも、ここでなら何も気を遣わずに自分を出せる気がした。
まだ時間も経ってなくて何の確信は持てないのだが、ありのままの自分を受け入れてくれそうで、なんだか高校生活に期待出来た。
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筍(プロフ) - 波瑠さん» ありがとうございます (2019年3月21日 1時) (
レス) id: 1e3fb893f2 (このIDを非表示/違反報告)
波瑠(プロフ) - 18席と推薦に２席で２０人 (2019年3月1日 19時) (レス) id: 977f6c68bb (このIDを非表示/違反報告)
筍(プロフ) - ロムさん» 楽しんでいただけて幸いです (2017年7月12日 0時) (レス) id: 515ac75390 (このIDを非表示/違反報告)
ロム - 作者様の小説のおかげです。ありがとうございます！ (2017年7月9日 19時) (レス) id: 693a45f20e (このIDを非表示/違反報告)
ロム - ああっ！更新されてる！とパソコンの前で叫んだ私は、今日も正常に動いています。 (2017年7月9日 19時) (レス) id: 693a45f20e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：筍 | 作成日時：2017年6月19日 1時
