22.個性 ページ24
saidA
｢は…何言ってるんですか…｣
第一声がこれだった。
初対面の人には失礼だっただろうか。
でも本当に、文字通り。
私はこの人が何を言っているのか全く理解出来ないでいた。
｢4歳の時に行った個性診断では、何も無かったです。つまり、無個性なんです｣
男性は分かってるわかってる、というように頷いている。
『あくまで推測だが、君の個性はその診断後に出たものだと思うんだよね!!』
｢診断後…に？｣
嘘だ。だって、個性が出るのは4歳までって。
｢そして私は、さっきのパンチで力の加減はしたものの、普通に痛いと感じるくらいの威力がでるように力を込めたつもりだ。｣
そう言えばこの人なんか叫んでたな。
それほど力を込めたのだろうか。
だったら何で。
｢それでも、君の腕は傷を受けているかい？｣
『いえ。無傷です。ただ少し体温が上がった気がしますけど』
さっきから右手が熱い。
我慢出来ないほどではないが、熱い…。
｢それも多分個性だね、私の見た所、ショック吸収…とかかな。｣
『吸収…？じゃあ今私の腕には今の衝撃が溜まっているとでも？』
いきなりの事に頭は追いつかない。
この人の言っていることは本当なのだろうか。
｢うん、それに加えて君はその溜めた衝撃の放出もできる。だけど春のあの事件の時には個性の使い方がまだ分からずに不安定だった。だから突発的に個性を使っちゃって、弾かれたように来た方向に飛んでっちゃったんじゃないかと思うんだよ｣
理解能力の低い私の頭でも、この人の言っていることは大体掴めた。
『でもそれって、じゃあなんで今更個性が発動したのでしょうか。だって、今まで怪我なんていくらでもしましたし、勝…幼馴染みに殴られたりした時も、衝撃は普通に受けましたよ』
そうだ。だから矛盾してる。
｢それは、君の意思によるものじゃないかな｣
意思、って？
｢この衝撃を無効化したい、つまりこの攻撃を止めたい、と思うかどうかの話なんじゃないかな｣
意思…。
まぁ確かに、怪我は気づいた頃にはもう手遅れだったし、勝己に痛い思いをさせられることはもう諦めてた。
それが問題だったとでも言うのだろうか。
大体今日あった人にそんな事を言われて、簡単に信じていいのだろうか。
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筍(プロフ) - 波瑠さん» ありがとうございます (2019年3月21日 1時) (
レス) id: 1e3fb893f2 (このIDを非表示/違反報告)
波瑠(プロフ) - 18席と推薦に２席で２０人 (2019年3月1日 19時) (レス) id: 977f6c68bb (このIDを非表示/違反報告)
筍(プロフ) - ロムさん» 楽しんでいただけて幸いです (2017年7月12日 0時) (レス) id: 515ac75390 (このIDを非表示/違反報告)
ロム - 作者様の小説のおかげです。ありがとうございます！ (2017年7月9日 19時) (レス) id: 693a45f20e (このIDを非表示/違反報告)
ロム - ああっ！更新されてる！とパソコンの前で叫んだ私は、今日も正常に動いています。 (2017年7月9日 19時) (レス) id: 693a45f20e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：筍 | 作成日時：2017年6月19日 1時
