20.海辺 ページ21
saidA
何とか、『大丈夫だから』と勝己に言い聞かせ、帰り道。
どうせなら一緒に帰るかと聞いたのだが、勝己は力なく断るだけだった。
全く、いつものアホみたいな威勢はどこへ行ったんだ。
ふと、通学路の脇にある市営多古場海浜公園に目を向ける。
むかしはよく出久と遊んだっけか。
無個性どうしでヒーローごっこなんかもした気がする。
廃棄物が多く、無垢な私たちにとっては普段は見ないものに触れられる、好奇心を唆る場所だった。
それが今じゃ、このさまだ。
数年ぶりにきた海浜公園は、見違えるほど綺麗になっている。
まだ多少ごみはの残っているものの、前とは比べ物にならない。
こんな浜辺掃除するなんて、よっぽどの暇人か変な趣味してるな…。
地元の人は誰も寄り付かないのに。
そんな事を思いながら通り過ぎようとした。
すると、
｢やぁそこの少女!!!｣
私の事…だろうか。
振り返って見てみるとそこには人が。
痩せ細っていて如何にも弱々しい中年らしい男性が立っていた。
もちろん知り合いにこんな人はいない。
『えっと…私、ですか』
｢そうだ！！君だ少女｣
なんだろう。
｢ちなみに名前は…｣
『AAです。』
制服を着ているし中学校名も言おうと思ったがやめた。この人が怪しい人だったらまずいからだ。
でもなぜだろう、
この人からはそういった悪意とかが全く感じられない。
色で言うなら真っ白な感じである。
初対面の人にこんなこと思うなんておかしいな…
なんてことを思う。
｢へぇ！A少女というのか｣
ふ〜ん、とつぶやく男性
『で、あなたは』
人に名前を聞く時は、まずは自分から。
どこかでそんな事を聞いたことがある。
いや、こんなのは常識だ。
男性は一瞬躊躇ったように見えた。
なんだ、自分は人に名乗らせておいて名乗らないのか。
非常識な人なのか。
そして何かバツが悪そうに、口を開いた。
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筍(プロフ) - 波瑠さん» ありがとうございます (2019年3月21日 1時) (
レス) id: 1e3fb893f2 (このIDを非表示/違反報告)
波瑠(プロフ) - 18席と推薦に２席で２０人 (2019年3月1日 19時) (レス) id: 977f6c68bb (このIDを非表示/違反報告)
筍(プロフ) - ロムさん» 楽しんでいただけて幸いです (2017年7月12日 0時) (レス) id: 515ac75390 (このIDを非表示/違反報告)
ロム - 作者様の小説のおかげです。ありがとうございます！ (2017年7月9日 19時) (レス) id: 693a45f20e (このIDを非表示/違反報告)
ロム - ああっ！更新されてる！とパソコンの前で叫んだ私は、今日も正常に動いています。 (2017年7月9日 19時) (レス) id: 693a45f20e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：筍 | 作成日時：2017年6月19日 1時
