19.跡 ページ20
saidA
放課後。
未だに進路希望調査書は私の机の上にある。
もちろん記入欄は真っ白である。
さんざん迷った挙句、全く良い答えがでずに諦め、もう帰ろうとした時の事だった。
｢このクソAｯ！！！！｣
教室のドアが勢いよく開き、勢いよく入ってきたのはもちろん勝己なわけで。
なんだなんだ、どうしたどうした。
静かにパニックを起こす私。
するとずかずかと教室に入ってきた勝己がいつの間にか自分の目の前に。
『え、え？え、何、』
勝己は無言のまま私の胸ぐらを勢い良く掴んだ。
｢オイお前!!!!!雄英受験やめんｯ…｣
いきなり叫んで来たかと思うと、動きを止める勝己。
ずっと怖いほどつり上がってた眉も、一瞬で下がった。
『なに、どうしたの』
さっきから勝己の行動が読めない。
何を考えてるのかさっぱり分からない。
｢おいテメェ、そらなんだよ｣
勝己は驚きとショックが混ざったような青白い顔をしている。
それ…って、どれ…
勝己の視線の方に目を向ける。
私の額だ。
『なんか付いてた？』
鏡をみて、額の様子を確認した。
その間も勝己は黙ったままだ。
不自然だな。
『あ……。』
やっと気が付いた。
鏡に映る、2センチくらいの小さめの傷。
傷、と言うよりは
｢わりぃ｣
勝己の個性を纏った敵の攻撃か。
その時の爆破で出来た火傷だった。
『いや、なんで勝己が謝るの？別にこんくらいどうってことないって』
｢わりぃ…｣
『なんで、大丈夫だって』
繰り返す爆豪は、顔に傷を受けてもなお全く気にしない少女と裏腹に、深く傷ついたような顔をしていた。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 151人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「ヒロアカ」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
筍(プロフ) - 波瑠さん» ありがとうございます (2019年3月21日 1時) (
レス) id: 1e3fb893f2 (このIDを非表示/違反報告)
波瑠(プロフ) - 18席と推薦に２席で２０人 (2019年3月1日 19時) (レス) id: 977f6c68bb (このIDを非表示/違反報告)
筍(プロフ) - ロムさん» 楽しんでいただけて幸いです (2017年7月12日 0時) (レス) id: 515ac75390 (このIDを非表示/違反報告)
ロム - 作者様の小説のおかげです。ありがとうございます！ (2017年7月9日 19時) (レス) id: 693a45f20e (このIDを非表示/違反報告)
ロム - ああっ！更新されてる！とパソコンの前で叫んだ私は、今日も正常に動いています。 (2017年7月9日 19時) (レス) id: 693a45f20e (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：筍 | 作成日時：2017年6月19日 1時
