10.喧嘩 ページ11
sideA
何だか申し訳ない気持ちでいっぱいになり、出久と別れた。
一緒に帰りたかったな…なんて思うと、後ろから足音。
もしや、一緒に帰ろう、って誘いに来てくれたり…＿＿＿
なんて平和な事を考えていたわたしは何て馬鹿だったのだろう。
｢おい。｣
聞きなれた声と、浮いた体。
どうやら私は、勝己に首根っこを掴まれたらしい。普通にセーラー服の襟が詰まって苦しい。
ジタバタするも勝己は話してくれない。
思い切って右足で勝己の足を蹴った。
ﾄﾞｻｯ……
女子の私の脚力でもダメージが大きかったのか、そのまま地面に落とされた。
『ｺﾞﾎｯ……ぅう…なに、なんなの、いきなり』
とは言ったものの、大体検討はついている。
さっきの事だろう。
ぁあ、早く帰りたい。
｢お前、雄英受けんのかよ｣
ん…？
なんか、思ってたのと違う。
あれ？
まだ、怒鳴られてない。
それに、足へのダメージは全くないような素振りだった。
ただ投げ捨てられただけか。
勝己はいつもとは違う低めのトーンだ。
誰かを馬鹿にしている時とは違う。
言うなれば、"本気モード"のような。
｢オイ。受けるかｯつてんだよ。答えろよクソが｣
クソが、は余計だ。
『受けるけど、別にそれを勝己にとやかく言われる筋合いなんてない。私が行きたい所に行く。以上』
んんんん、なんで私ってこういう状況になると相手を怒らせるようなこと言っちゃうんだろう…もう終わったよこれ！！
またもや頭の中での妄想劇が始まる。
そのまま回れ右をして校門へ向かおう。
チッ…
後から舌打ちが聞こえた。
『あ。』
付け足しを忘れて振り返る。
『出久の大切なもの。次に傷つけたら本気で許さないからね』
少しは脅しになったかな。
これで少しは守ったことになるのかな。
軽く言ったつもりだった。
これでもオブラートに言った方だった。
何がいけなかったんだ。
いや、問題だらけだっただろう。
そうだよ。第一、私が勝己に歯向かうなんて。
勝己にとっては…＿＿＿
『ｯｯざｯけんなよこのクソアマがァァァァ!!』
私はただ、飛んで来る拳に目をつぶった。
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筍(プロフ) - 波瑠さん» ありがとうございます (2019年3月21日 1時) (
レス) id: 1e3fb893f2 (このIDを非表示/違反報告)
波瑠(プロフ) - 18席と推薦に２席で２０人 (2019年3月1日 19時) (レス) id: 977f6c68bb (このIDを非表示/違反報告)
筍(プロフ) - ロムさん» 楽しんでいただけて幸いです (2017年7月12日 0時) (レス) id: 515ac75390 (このIDを非表示/違反報告)
ロム - 作者様の小説のおかげです。ありがとうございます！ (2017年7月9日 19時) (レス) id: 693a45f20e (このIDを非表示/違反報告)
ロム - ああっ！更新されてる！とパソコンの前で叫んだ私は、今日も正常に動いています。 (2017年7月9日 19時) (レス) id: 693a45f20e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：筍 | 作成日時：2017年6月19日 1時
