56.火災ゾーン ページ9
sideA
｢良かった！！Aさん！いた！！｣
息を上がらせて走ってくる少年。
周りの炎のせいで顔が良く見えなかったが、近づくに連れて見えてきたその顔は見覚えのあるものだった。
『確か、クラスメイトの…ごめん、なんて言ったっけ』
正直覚えていない。
ちょっと顔みたことあるな、くらいの認識だ。
本当に失礼だ。罪悪感が凄かった。
｢いいんだよ、あんま目立ってなかったし…あの、尾白って言うんだ、よろしく…｣
いいんだよ、と言いながらも実は気にしてそうに笑う彼。よけいに罪悪感が膨らむ。
もう彼に失礼なことはしないと心に誓った。
＿＿＿＿＿。
『そっちどう！？』
｢こっちは多分全滅！｣
お互いにバラけて集団の敵を倒していく。
『どいつもこいつもかたまりやがって…集団は嫌いなんだよ…』
思わず本音が出てしまう私に、尾白が｢Aさん…口…｣と苦笑した。
おっとまずい。口が悪くなっていた。
しかし嫌いなものは嫌いだ。
落ちた時の衝撃を一気に放つタイミングを考えて、尾白と作戦を考えた。
それ通りに、尾白が得意の尻尾攻撃を繰り出し、ビルの間の交差点らしき所に人を集めていく。
先程数十人倒したので、多分残りはこれで全員だろう。
｢Aさん！！いいよ！！｣
彼はそこにいた全員を中央に集めてくれて、出来るだけ私の攻撃の範囲を狭めてくれた。
よって、思い切り放出が出来る。
『尾白ありがと！！！』
Dooooooooooon!!!!
この位の威力でも珍しく腕が痛まなかった。
少しは成長したという事だろうか。
見ると道路だったはずのコンクリートはぼこぼこに削れ、原型を留めていない。
向かいにあったビルも半壊で今にも倒れてきそうだ。
『これが本当の街だったら、ヒーローとして危うい…』
｢でも、今はそのお陰で敵を倒せたから｣
火照った腕を見て、この腕で、私達で敵を倒したことを実感する。
『まぁ、いいか』
といって尾白とハイタッチをした。
衝撃で飛ばされた敵達は、このゾーンを仕切る壁の方まで飛ばされて、山積みになっていた。
今のところ全員意識がないようだが、取り戻されちゃ拉致があかない。
早いとこ先生達を呼びに行こう。
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筍(プロフ) - ミオさん» ありがとうございます！！嬉しいです！！頑張ります！！(TT) (2018年1月4日 2時) (
レス) id: 515ac75390 (このIDを非表示/違反報告)
ミオ(プロフ) - 更新楽しみにしています！頑張って下さい！ (2017年12月2日 11時) (レス) id: 95fb949c38 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：筍 | 作成日時：2017年9月10日 5時
