94.正しき在り方 ページ48
・
｢あちらはもう！？｣
｢多少手荒になってしまったがな！
して…あの男はまさかの…｣
エンデヴァーさんの視線は、私たちの方へと向けられる。つまり、ヒーロー殺しステインに。
私と違って背中を抑えられている出久は、なんとかこの場を抜け出そうとジタバタ足掻いていた。
｢エンデヴァー｣
そう言ったステインの瞳は、獲物を見つけた時の猛獣のようにギラギラと鋭かった。
ステインが立ち上がったタイミングを見計らって出久を起き上がらせる。
｢贋物…｣
その場にいた全員が、息を止めた。
｢正さねば＿＿……誰かが…血に染まらねば…｣
ユラユラとヒーロー達の元へ踏み出すステインの、イカれた執着心が、その信念を貫こうとする姿勢が、恐ろしくて呼吸の仕方も忘れてしまう。
酸素が上手く肺に回ってこない。
瞬きすらも忘れて、ただひたすらに目の前の現実に釘付けになっていた。
｢"
来い。
来てみろ贋物ども。
俺を殺していいのは
あまりの迫力に、そのままドサリと腰を抜かす。
しかしステインは突然動きを止めたかと思うと、そのまま声すら発さなくなった。
後ろからだと全く今の状況が分からない。
エンデヴァーさんの声で理解した。
｢気を、失ってる…｣
轟と飯田が腰を抜かしたのが見えた。
その場にいた誰もが、圧倒されていた。
＊
後から聞いた話なんだけど
この時ヒーロー殺しは折れた肋骨が肺に刺さっていたそうだ。
誰も血を舐められてなんかいなかった。
なのに
あの場であの一瞬
ヒーロー殺しだけが確かに
相手に立ち向かっていた。
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筍(プロフ) - ミオさん» ありがとうございます！！嬉しいです！！頑張ります！！(TT) (2018年1月4日 2時) (
レス) id: 515ac75390 (このIDを非表示/違反報告)
ミオ(プロフ) - 更新楽しみにしています！頑張って下さい！ (2017年12月2日 11時) (レス) id: 95fb949c38 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：筍 | 作成日時：2017年9月10日 5時
