89.ステイン ページ43
｢血ィ舐められねえように気を付けろ｣
轟はそれだけ言うと後方からのサポートに回った。
なんでもステインの"個性"と血液が関係しているらしく、血液を舐められると面倒な事になってしまうらしい。
血を流している轟はサポートに。
かすり傷しかない出久と、今来たばかりの私でステインに攻撃を仕掛ける、という作戦だ。
出久がステインへ向かって飛び出す。
それを追うように私も足から衝撃を放出して飛び出した。
大きく振りかぶって攻撃を仕掛けようとしたところで、ステインに刀を振り回されて反射的に攻撃を避けると、空中で不安定な体制になってしまい着地に失敗した。
攻撃が失敗したことによって、ステインが後ろにいる轟へ迫る。
｢やめて欲しけりゃ立て！！！｣
ステインに血を舐められ、動けないでうつ伏せになったいる飯田に、轟が言う。
｢ごめん轟くん…！｣
｢轟！｣
攻撃を躱された私達が地面から起き上がった瞬間。
轟が張った氷の壁が、ステインによって破壊されるところだった。
｢なりてぇもんちゃんと見ろ！！｣
氷を割られてしまった轟のガードは当然緩くなるわけで、慌てて炎を繰り出したのもステインは軽々と避けて見せた。
轟に迫るステインを止めようと走り出すと、炎の中から短刀が出てきて、気づけばそれは私の目と鼻の先にあった。
突然の事に反応が遅れて思わず右手で防ぐと、右腕に短刀が突き刺さった。
｢視界が悪い中で攻撃を仕掛けようとするのは感心しないな｣
それでも不思議と痛みは感じなくて、今はただステインの攻撃から轟を守る事だけが頭の中にある。
｢氷に炎。
言われたことはないか？
"個性"にかまけ挙動が大雑把だと｣
そう言ったステインは刀を構え、轟の腕の付け根の所に向かって切りかかる。
あと数センチで刃の届いてしまう距離。
ここから飛んでも間に合わない、
思わず息を飲んだ瞬間。
｢レシプロ…｣
燃え盛る炎の中、ぼんやりと視界に映った白い影に、ほっと胸を撫で下ろした。
｢バースト！！｣
吹っ切れた飯田のキックは目で追えないほど早く、それもステインをも上回るスピードだったようで、見事轟を斬りかけていた刀を真っ二つに割った。
｢飯田！｣
｢飯田くん！｣
｢解けたか。
意外と大したことねぇ"個性"だな｣
出久、私、轟が、飯田の復活に安堵する。
さぁ、ここからどうするか。
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筍(プロフ) - ミオさん» ありがとうございます！！嬉しいです！！頑張ります！！(TT) (2018年1月4日 2時) (
レス) id: 515ac75390 (このIDを非表示/違反報告)
ミオ(プロフ) - 更新楽しみにしています！頑張って下さい！ (2017年12月2日 11時) (レス) id: 95fb949c38 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：筍 | 作成日時：2017年9月10日 5時
