76.知名度 ページ30
sideA
外は相変わらず悪天候で、電車の中からでも分かる外の豪雨は私の気分を十分に下げている。
「お兄さん！ヒーロー科の緑谷くん！」
体育祭から二日。
通学中に、一緒にいた出久が知らないおじさんに話しかけられた。
私は結局見学で終わったが、あとから聞いた話だと出久が相当活躍したらしい。
彼の名はあっという間に世間に知れ渡り、今では知らない人達に囲まれるまでになってしまった。
流石雄英体育祭。
「君はもう大丈夫なのかい？途中でいなくなったようだけど、Aさん」
話しかけてくる人々にあたふたとする出久を遠目で見ていると、1人のお兄さんに話しかけられた。
「少し怪我をしてしまって。もう大丈夫です」
どうして私までと疑問に思ったが、そういえば途中までは轟や勝己のトップ争いに参戦していたことを思い出した。そりゃ目立つか…。
質問攻めにしてくる人々を押し分け、最寄り駅の改札を必死で抜ける。
やっと安心したと思ったが外は相変わらずの土砂降。気分を悪くしながら大きな傘をさすと、雨の音が激しく響いた。
「朝から疲れたね」
傘をさしながらでも相手の顔を見て話す出久は、とてつもなくいい子だと思う。
「流石、雄英って感じ」
「ベスト8でこれだったら…かっちゃんとか轟くんは大変だね…」
苦笑いをしながら足を進める。
体育祭の日。
あの後勝己が去ってからすぐにまた寝てしまったので、轟達の試合を見ていない。クラスの人達はみんな興奮気味にあの試合を語るし気になって、テレビで録画していたものを見るととても迫力のある試合で確かに興奮した。
二人とも個性の使い方や身体能力が子供とは思えないくらい長けていて、遅れをとるまいと私を奮起させた。
「そういえば、Aちゃんはもう大丈夫なの？いきなり棄権って言われたからびっくりしたよ。それも、プロヒーローがかなり焦ってたし」
私が死柄木に手を出されたことは、一部の生徒と先生方にした伝えられなかった。
幼馴染の二人の生徒だけ。それと尾白。
勝己は体育祭が終わってから再び保健室へ寄ってくれたらしいがその時私は絶賛爆睡中だった。
十分過ぎるほど睡眠をとった私が教室へ戻ると、誰もいないはずの教室に人影がぽつんとあって、それは私はの方へ振り向くや否や駆け寄ってきた。
『Aちゃん！大丈夫！？死柄木が来たって！？でもなんで。この間の襲撃もあってセキュリティは万全なはずなのに…』
出久はどうやら私を待ってくれていたようだ。
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筍(プロフ) - ミオさん» ありがとうございます！！嬉しいです！！頑張ります！！(TT) (2018年1月4日 2時) (
レス) id: 515ac75390 (このIDを非表示/違反報告)
ミオ(プロフ) - 更新楽しみにしています！頑張って下さい！ (2017年12月2日 11時) (レス) id: 95fb949c38 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：筍 | 作成日時：2017年9月10日 5時
