61.ヒーローと死柄木 ページ14
sideA
脳無とオールマイトの激しい殴り合い。
拳が早過ぎて当たったのか当たってないのかすら分からない。そのうえ、衝撃で風が生まれて、誰も近づくことが出来ない。
ほんの数秒が、長く感じた。
｢ヒーローとは常にピンチをぶち壊していくもの！敵よ、こんな言葉を知っているか！！？｣
吹いてくる強風に足を踏ん張りながら、目がハマったようにオールマイトを見ている。
｢Puls ultra!!｣
ﾄﾞｶﾞｧﾝ!!!
聞こえたのは、USJの天井が飛ばされた脳無によって破壊された音。
｢………漫画かよ｣
｢デタラメな力だ…｣
『うそ、でしょ…』
何も出来ずにただ見ていることしか出来なかった私たちがあっけに取られていると、煙の中から出てくるオールマイト。
その姿はまさにヒーローで、ここまでボロボロになって生徒を助ける、威厳のある先生の姿にも見えた。
脳無がやられたことによって明らかに苛立ちと動揺を隠せてない手だらけ男。
｢全然弱ってないじゃないか！！あいつ…俺に嘘教えなのか！？｣
苛立ちから来るのであろう首をかく仕草が気持ち悪い。
かいた所からとうとう血が滲み出て来て、思わず顔を顰めた。
土埃の中から男を睨むオールマイト。
その瞳は正義を司るようにまっすぐで、ヒーロー志望の私でも思わず身震いしてしまう。
｢脳無さえいれば！奴なら！！何も感じず立ち向かえるのに………！｣
｢死柄木弔…落ち着いて下さい。よく見れば脳無に受けたダメージは確実に表れている｣
死柄木、と呼ばれた手の男と、黒モヤが話している。
このまま撤退なのか、それとも襲いかかってくるのか、展開がどう転ぶのかヒヤヒヤする。
後ろで轟達が、退いた方がいいとか何とか言っているけれど、それが最善の選択なのだろうか。
オールマイトにも確実にダメージがいっている。
さすがのオールマイトでも、所詮は人間。ダメージを食らいすぎればもちろん動けなくもなるだろうし、最悪の場合帰らぬ人となってしまうだろう。そんなことは考えたくないが。
どうするのが一番良い選択なのか分からないまま、3人が出口へと歩き出した。
しかし出久だけはオールマイトの方向を見ながら何かをぶつぶつ呟いている。
『出久…？』
声をかけたはずなのだが、私が見た場所に出久はもう居なかった。
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筍(プロフ) - ミオさん» ありがとうございます！！嬉しいです！！頑張ります！！(TT) (2018年1月4日 2時) (
レス) id: 515ac75390 (このIDを非表示/違反報告)
ミオ(プロフ) - 更新楽しみにしています！頑張って下さい！ (2017年12月2日 11時) (レス) id: 95fb949c38 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：筍 | 作成日時：2017年9月10日 5時
