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落ちそうな意識の中、ぼんやりと囲炉裏の残り火が白い狼煙を上げている。

「お姉ちゃん」
ひっそりとかけられた声に意識が浮上する。
声の方を見ると禰豆子がいた。

『どうしたの?』
自然とひそめた声は、まだ寝ているみんなを起こさないため。
禰豆子は苦笑すると 六太が厠に行きたいから付き添うと告げた。
家の外にある厠。六太だけでは心細いのだろう。禰豆子と手を繋ぐ六太は目をしょぼつかせ夢と現実の狭間にいるようだ。

『分かった。気をつけて』
決まり文句を言うと禰豆子は微笑み、風邪をひかないようにと逆に気を使われた。
なんとも出来た妹である。

二人が出ていってから少しして、引き戸から気配がひとつ。

禰豆子?それとも六太か?……いや、それにしては早すぎる。
もしかして、炭治郎?
こんな寒い夜道を歩いてきたのかと心配になりろくに確認もせず 引き戸を


開けてしまった。




紅い紅い血のような二つの月を見た瞬間、


ボクの視界は黒く塗りつぶされた。





これ程に無警戒な自分を憎んだことは無い。

今でも、そう思うよ。


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参→←壱



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作者名:タートル | 作者ホームページ:http  
作成日時:2019年12月5日 1時

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