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「……なんのつもりだ?冨岡」
言葉に顔を上げると、水柱の冨岡義勇(とみおかぎゆう)に腕を捕まれ次の一手を止められている蛇柱 伊黒小芭内(いぐろおばない)の姿があった。

言葉を発しない冨岡と目が合う。
ボクはハッとしてすぐさま炭治郎の体を起こし腕の拘束を解いた。
彼の身体中の怪我が目につき顔をしかめる。

そこへ、お館様のお声が降ってくる。

「炭治郎。禰豆子が“人を喰わない鬼”と分かっても快く思わない者もいるだろう。

証明しなければならない。
これから炭治郎と禰豆子が鬼殺隊として戦えること、役に立てること」

え………禰豆子が……鬼?

「十二鬼月を倒しておいで。
そうしたらみんなに認められる。
炭治郎の言葉の重みが変わってくる」

ん?ん?待って待って状況が飲み込めないぞ?

「俺は……俺と禰豆子は鬼舞辻無惨を倒します!!
俺と禰豆子が必ずっ!悲しみの連鎖を断ち切る刃を振るう!!」

んん……?

「今の炭治郎には出来ないからまず十二鬼月を一人倒そうね」
お館様のこの言葉も含めて既視感を感じるような……

「ふふっ。一年前、Aも同じことを言っていたね」

『!』
そうだった!初めてお館様と話した時に意思表示で言ったんだ!
……炭治郎さんや、その羞恥で真っ赤な顔をこっちに向けないで。
ボクまで恥ずかしくなってくるから。

……ほら!柱の皆様も笑いこらえてるじゃないか!
うわー!恥ずかし!!

「鬼殺隊の柱たちは当然抜きん出た才能がある。
血を吐くような鍛錬で自らを叩き上げて死線をくぐり、十二鬼月をも倒している。

だからこそ柱は尊敬され優遇されるんだよ。
炭治郎も口の利き方には気をつけるように」
お館様の言葉は声は不思議と心を穏やかにさせる。
父さんも…炭十郎父さんも似たような雰囲気を持っていた気がするな。

炭治郎も羞恥で頬を赤らめながらも言うことを聞いている。
あの蛇柱様や風柱様も。

「さて、炭治郎の話はこれで終わり。
下がっていいよ。
そろそろ柱合会議を始めようか」

それから、蟲柱の提案により隠の人を呼んで炭治郎は蝶屋敷に運ばれた。
途中、一悶着あってヒヤヒヤしたけどなんとかなって良かった良かった。

さてと、じゃあボクも一度戻るか。
輝利哉様を置いてきてしまったし……

「Aはここに来ていいよ」

『 ………ぇ 』

いきなりの爆弾投下にボクも柱の皆様も驚きを隠せないのだった。
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第 肆 幕→←伍



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作者名:タートル | 作者ホームページ:http  
作成日時:2019年12月5日 1時

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