浮浪鬼【薄桜鬼 × 鬼滅の刃】 (ページ11)

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弐ページ11

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雪道を抜けた先で炭治郎と思わしき人物の目撃情報を得た。
狭霧山に向かったとか。
夜になるからと止められたけどボクの歩みは止まらない。
夜も深けた頃、ひとつの御堂にたどり着いた。

『ここにも埋葬した跡がある』
不自然に盛り上がった地面を数ヶ所発見。炭治郎がしたのだろうか。

少しづつだけど近づいている気がする。
まだ疲れていないし、もう少し進もうか。
そう思案した時、

──……！──

『！』
声だ。
遠くて誰のものかは分からないけど切羽詰まったような気配がする。
……もしかして！

ボクは駆け出した。
木々をかき分けて、しかし極力音を立てずに。

「……おら！かかってこいよ！！」

いた！
年端もいかない男子だ。手には刀が握られている。侍だろうか。
夜目が利くボクは気づく。彼の後ろに誰か殺気立って隠れていることに。
男子は気づいていない。……なら仕方ない！

ボクは素早く駆け出し、男子に迫るその人の首を抜刀術で斬った。

「っな！？」
ようやく敵の存在に気づいた男子は、同時に気づいたボクの存在に黒い眼をこれでもかってくらいに見開いている。
首元の飾りが月明かりに照らされて綺麗だなと、ボクは不謹慎にも思ってしまった。

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