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今、貴方に会いたくはなかった ※少し血の表現あり ページ10




見失わないように黒を先に向かわせている。

こういうとき、探知の訓練をしていて良かったと実感するよ。
私は黒の呪力を辿りながら公共交通機関を利用して後を追った。



森の奥に入り黒と合流して父を探した。
途中からも○のけ姫のように背に乗って移動。
この方が全然早い。

ふと、遠方で爆発音が聴こえ 私は黒を急がせた。

ドガァアン!!!

すぐ近くに何かが衝撃と砂煙を撒き散らして落下してきた。
足が止まり手で顔を覆う。

晴れた煙の中を目をこらすと人影が……

『………ぇ』

その人は私の探していた人。

『ッ父さん!!』

危険だと知っていても、私は駆け寄らずにはいられなかった。

「オ、マエ なんでここに?」

『そんなことどうでもいいよ!』
ッああ これは酷い。
左上部がほとんどえぐり取られている。
立っていること自体が奇跡のようだ。

堪らず反転術式を施した。

後ろで、黒が誰か(・・)を威嚇している。
私には今 それを気にする余裕はない。

「やめとけ」
『やだ!』
無駄なことだってことはわかってる。
過去、何度 同じような場面を目にしたことか。
それでも、治癒の手を止めることはなかった。
いや、止めたくなかったのだ。
諦めたくなかった。


父からは複数の他者の血の匂いがする。
きっと、そういうことな(報復された)んだろう。


それでも、私は──



「A、ありがとな」

首に走る衝撃に体の力が抜ける。
立っていられない。

ああ、嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ───

せめてもの抵抗にと父を睨んだ。
ぼやける視界の端で黒が地面に溶けるのが見え、その向こうで一対の空色と目が合ったのを最後に、目の前が暗転した。



置いていかないで。



走馬灯のような→←なんとなく



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作者名:ハピ助 | 作者ホームページ:http  
作成日時:2021年4月6日 1時

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