邂逅 ページ2
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『……』
「……」
私“達”はお互いに向かい合いながら無言を貫き通していた。
てか、動けない。
「もう2人とも!まだ玄関にいたの?」
かれこれ5分も経ってるよ?
怒っても可愛いよ、母さん。
「コイツ誰だ?」
嫌にオマエに似てんな。
失礼だな 指さすなよ。噛むよ?
「君にも似てるよね」
誰だと思う?
母さんは私の後ろまで来ると肩に手を置き
いたずらっ子のような笑みを目の前の男性に向けた。
「……?」
本当に分からないのか首を傾げる姿が一瞬
前世の弟を彷彿とさせ……あれ?
この顔見たことあるぞ。
薄れつつある前世の記憶の引き出しを必死に探した。
……………ぁ
──オマエら 名前は──
『……ぉ、とぅさん』
「あ?」
「当たり!さすが私と
「はぁあ!?」
嬉しそうな母。
困惑する父。
その2人に挟まれて、私は内心 冷や汗が止まらなかった。
伏黒 A (3歳)
父─甚爾─と初めて邂逅する。
薄々 ここが過去であることには気づいていた。
しかし、己の記憶との相違がありすぎてそれを否定していた。
もしかして、此処は過去ではあるが前と同じでは無いのかもしれない。
浮上した仮説と父との邂逅。
唐突過ぎて頭が展開についていくのに数分を要した私なのです。
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