浮浪鬼 参【薄桜鬼 × 鬼滅の刃】

弐 ページ4

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「あまりにも酷い言い方だ……そんな風には言うのはやめてください！」
堪らず口に出た言葉が敬語なのは、まだ理性が勝っているから。
こちらに目を向けた煉獄さんのお父上は、俺の顔を見た瞬間 目を見開かせ酒瓶を落とした。

「お前……そうかお前……」
ヨロヨロとこちらに進んでくる姿は少し怖い気もする。
お父上は俺を指差しながら、“日の呼吸の使い手”かと問うてきた。

「“日の呼吸”？何のことですか？」
俺の疑問の呟きは、地面に叩きつかれる痛みによって掻き消された。
速い！！素人の動きじゃないぞ！！

一瞬で間合いをつめられ地面に伏せられた。
ほんのひと間の出来事に頭が上手く追いつかない。
千寿郎くんが離すよう説得してくれているけど聞く耳を持たない。それどころか
「うるさい！黙れ！！」

殴った……？
父親が息子を……殴った？

俺の頭に父さんの優しい笑みが過ぎたかと思うと、一気に体の温度が上がるのを感じて。
そして、

「いい加減にしろ！この人でなし！！」
蹴り上げ吹っ飛ばしていた。
俺が体を起こすと、数歩先で受身を取っているお父上の姿。

「さっきからいったい何なんだ あんたは！！
命の危機に瀕している我が子を侮辱して、
殴って！！何がしたいんだ！！」
息が上がる。脇腹が痛い。背中が寒い。きっと熱が出ているんだろうな。
どこか他人事のように感じるのは頭に血が上っているから。

お父上は額の血管を浮き立たせ怒りを顕にしている。
「お前、俺たちのことを馬鹿にしているだろう」
静かながらも怒りが声色から滲み出てさっきとは違う悪寒が背中を伝う。
馬鹿にしている？なんでそうなるんだ？この人の言っている意味がわからない。
お父上の言葉は続く。

「お前が“日の呼吸”の使い手だからだ。
その耳飾りを俺は知っている。
書いてあった(・・・・・・)！！」

！？
“日の呼吸”ってもしかしてヒノカミ神楽のことなのか？

お父上は声を荒らげながら言う。
“日の呼吸”は始まりの呼吸(・・・・・・)だと。
最強の御業にして、全ての呼吸の元祖だと。
火も水も風も全ては“日”から始まったのだと。




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