浮浪鬼 参【薄桜鬼 × 鬼滅の刃】

弐 ページ13

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藤の家紋が記された家にて、ボク達は立ち寄った。

「皆様、遠路はるばる来て下さり誠にありがとうございます」
そう深々と土下座する初老の女性。
ここの家の主と伺える。

「女将「おツルとお呼びください」……承知した」
この女将さん、いやおツルさん かなり強いぞ。あの蛇柱様が言い負けてる。あ、睨まれた。
何も言ってませんよー。
ヘラリと笑うと目を背けられた。

話がまとまって案内役の人が先導してくれるみたい。

『不死川くん、行こう』

「………はい」
ひと間あけて返事を返してくれた不死川くんは足早にボクを追い越して行く。
あの子、全然目ぇ合わせてくれないな。

……この任務やって行けるかな…。
気苦労を予期して頭が痛くなる。額に手を当てると後ろから声がかけられた。おツルさんだ。

「大丈夫ですか？」
『ぁ、平気です。すみません』
要らぬ心配をかけてしまったことを慌てて謝ると、おツルさんがキョトンと目を丸くさせた。

「ふふふっ、何かありましたら遠慮なくお声かけくださいね」
『ぁ、ありがとうございます！』
やばい！この人の笑顔かなり癒される！
この任務やっていけそう！

さっきとは真反対な思考が頭を占める。
やる気充分になったボクは少し先でイラついた蛇柱様の怒鳴り声に元気よく応えると軽い足で走った。


「………」
ものあり気な視線でこちらを見つめているなんて、この時のボクには気づく余地も無かった。





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