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第 拾 幕 ページ11

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「父上がよく見ていた書物なら心当たりがある。
暫し待っていてくれ」
そう言って、煉獄さん達 (ふすま)の奥へ入っていった。

そして、

「これではないかと思うのですが……」
千寿郎くんから手渡された少し古びた書物。
“二十一代目炎柱の書”と題されたそれを炭治郎は感謝に頭を下げてから受け取った。

皆が見守る中、恐る恐る開いてみると

「これはっ……」
弟の息を呑む音。
気になって覗いてみる。

『これは…ひどいね』
ズタズタに裂かれた(ページ)に顔がしかまる。
要所要所読めなくもないけど理解するには難しい。

「元々こうだったのかな?」
首を傾げる炭治郎に千寿郎は慌てた。

「いいえ…そんなはずはないです!」
千寿郎くんの言葉に煉獄さんも頷く。

「うむ。“歴代炎柱の書”は代々煉獄家当主に受け継がれ大切に保管されている」

『……ということは破いたのは槇寿郎さん?』
「恐らく……」

「よし!父上に直接聞くか!『「止めて下さい!!!」』」
立ち上がろうとする煉獄さんをボクと千寿郎くんで必死に止める。この人ならやりかねん。やめて色々と大変だから!!

そんな慌ただしい光景に炭治郎は微笑みをひとつ落とすと、どうしたものかと顎に手を当てた。
それを目にした千寿郎くんは慌てて頭を下げた。

「そんな、千寿郎さんのせいではないです!
どうかお気になさらず」

「だが、少年は“ヒノカミ神楽”について知りたかったのだろう?
それに父の言っていたという“日の呼吸”とやらも分からずじまいだ」

「大丈夫です。自分のやるべき事はわかっていますので」
『ヒノカミ神楽の舞か?』
当たりとでも言うように炭治郎は微笑み頷いた。

「舞いの手順を知っているヒノカミ神楽ですら俺は使いこなせていないんです。
まずはもっと鍛錬を積まないと」

「そうなのですか…」

炭治郎は言う。
“ヒノカミ神楽”の……技の力に体がついていかないだと。
蝶屋敷で常中による体力向上を会得しつつあるがそれも序の序。
一朝一夕の成果では強くはなれない。

あの時、己がもっと強かったら。
一瞬で…煉獄さんやボクを助けられるくらい強くなれる方法があったら、と。

だが、そんな都合の良い方法など無いことも彼は知っている。

だからこそ

「足掻くしかない。
今の自分ができる精一杯で前に進む。
どんなに苦しくても悔しくても。

そして俺は、
杏寿郎さんのような強い柱に必ずなります」
眼の奥で、力強くも危うい炎が燃えていた。

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壱→←新年です!



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タートル(プロフ) - らむださん» すごく長くなってしまいました!しかも話が重い……すみません! (2020年2月6日 0時) (レス) id: 77bb05bd52 (このIDを非表示/違反報告)
タートル(プロフ) - らむださん» こちらこそリクエストありがとうございます!頑張ります! (2020年2月2日 12時) (レス) id: 77bb05bd52 (このIDを非表示/違反報告)
らむだ - リクエスト受けてくださり、ありがとうございます!これからも頑張ってください! (2020年2月2日 12時) (レス) id: ea705c544c (このIDを非表示/違反報告)
タートル(プロフ) - 桜愛さん» 桜愛様、楽しみにして下さってありがとうございます!ノロノロ更新で申し訳ないです…少しずつですが載せていきますので良かったらお付き合い下さい!(土下座) (2020年2月1日 22時) (レス) id: 77bb05bd52 (このIDを非表示/違反報告)
タートル(プロフ) - らむださん» らむだ様のリクエストは本編に少し食い込む形で書かせていただきます。気長にお待ちください!(土下座) (2020年2月1日 22時) (レス) id: 77bb05bd52 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:タートル | 作者ホームページ:http  
作成日時:2019年12月26日 22時

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