君と、恋の話がしたい。 (ページ14)

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海「ねえ、それはいつからなの」

「高橋くん」

海「どうしても知りたいんだ。」

「....」

ある日の放課後、学習しない俺が教室に忘れ物を取りに行くと彼女が高橋に攻め立てられている現場に出くわした。

仲良く話しているんなら俺が口を挟める事なんてないけれど彼女は明らかに困っていた。
これは、俺の出番なんじゃないか。

もう動揺してドアに肩をぶつけたりしないし、
堂々と声を上げて入っていってやった。

廉「高橋、成瀬困ってるやろ」

高橋は俺の顔を見るなり目を見開いてすぐに睨みを利かせてきた。

海「今は成瀬さんと話してるんだ。」

廉「だから、困ってるやろ」

海「...お前には関係ないだろ」

廉「関係なくてもなぁ...」

海「何だよ、何にも知らないくせに」

「ねえ高橋くん」

彼女が高橋の目を見た。
そして高橋も成瀬の事を見る。
高橋はそれ以上何も言わなかった。

.

さっきの高橋の言葉が頭の中を回っていた。
何も知らない。それは正しかった。
なら、果たしてその俺の知らない彼女の隠し事を高橋や平野は知っているんだろうか。

「さっきの少しかっこよかったよ。」

廉「へっ！？」

変な声が出てしまった。
彼女の口からかっこいいという言葉があまりにスムーズに放たれたものだから。

「ほら。敵をやっつけるヒーローが登場するみたいに。まあ、高橋くんは敵じゃないんだけどね」

彼女は楽しそうに笑う。
彼女の前だと、どうもかっこがつかないのにそれでも彼女は俺の事を褒めてくれた。

廉「サイダー、飲む？」

「え、奢ってくれるの？やった」

中庭のベンチにこうやって二人で座って、ただこうやって話をするなんて、まるで恋人のようなこの距離感が堪らなく嬉しかった。
1ヶ月前には到底想像できない未来だ。

それが訪れるのはいつだって急で。
猛烈に彼女に気持ちを伝えたくなった。

そう思った時、彼女が口を開いた。

「ねえ。私、今凄くJKっぽくない？」

廉「へっ」

また変な声を出してしまう。
でもあまりに突然で、その意味がよくわからなかったから。

「なんてね。ふふ、帰ろうか。」

もう既に辺りに人は少なかったからか、それともとてつもなく彼女の機嫌が良かったからかよくわからないけれど、なんだか今日の彼女のガードは緩い。

彼女が立ち上がる。
瞬間、彼女が左によろけた。
俺は慌てて受け止めた。

「わ、ごめん。」

彼女の腕を触ってしまった。
もちろん下心なんてものはなくだ。
その腕が、恐ろしく華奢であった。