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紫「それに結局、それも全部俺の思い込みだったから。」

たったの半年。されど半年なのか。
以前より圧倒的に大人びた紫耀がそこにいた。
私はこの半年間、あまりに感傷的で脆く、時より襲ってくる感覚に押しつぶされそうだったというのに。

紫「きっと、Aの言うことは正しいんやな。
俺は愛されてたよ、おまえに。」

もしかしたら、全部勘違いしていたのかもしれない。
紫耀を捨ててしまった、紫耀を置いてきてしまった。
そう思って傷ついた紫耀を何度も想った。
けれど実際、誰より傷ついていたのは私の方なのかもしれない。
自らでその道を選んだ筈なのに。

紫「俺たち、やり直そう。全部最初から。
今度はきちんと真正面からAと向き合いたい。」

紫耀の両手が私の両手を包み込む。
温かい。ただ、温かいのだ。
これまで感じていた悲壮感とか罪悪感とかそんなものが全部吸収されていくのだ。

どうしてだろう。
嬉しいのだ。紫耀の姿を見る事が出来た事も、そうやって言ってくれることも。
だけど、同時に胸がひどく痛む。


「ごめんなさい。少し時間が欲しい」

紫「うん。待つよ。いくらだって待つ」

「紫耀の事は勿論好きだよ。だけど、廉にちゃんと話さなくちゃいけない。」

紫耀と向き合うには、やっぱり全てのことをきちんと終わらせる必要があった。
握られていた両手が更にぎゅっと包まれる。


紫「....そうやんな。俺もきちんと話さなきゃいけない」

「?」

紫「結婚、するかもしれんかった」

その言葉に拍子抜けした。
そんな私を宥めるように紫耀が私を見つめる。

紫「正直に言うと迷った。
お前のこと忘れなきゃいけないのに忘れられないから。ならこのまま結婚しちゃえって」

「....」

紫「でも無理やった。何処にいても何してても必ずAが俺から離れてくれんかった。
そんな時にあの手紙を受け取った。
その時からもう忘れるのはやめようって思った」

私はもう何も言えずにいた。
紫耀が私と同じことを思っていた事がただただ、嬉しくて。それなのにそれを素直に受け止めるのは何だか難しくて。



紫「次に会えるのはお互いが幸せになった時って書いてたやろ。俺は、Aとじゃなきゃ幸せになれないって気付いた。だから今日、ここにいる。全部ケジメをつけてきた。
せやから、Aもきちんと永瀬と話してほしい」

やっぱりいくらも大人びてみえる紫耀に感激して、自分の不甲斐なさに落胆した。

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....何度も申し訳ありません→←204



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Sasa(プロフ) - 大好きな作品です…更新待ってます( ; ; ) (2022年10月29日 12時) (レス) @page12 id: d5f0acd946 (このIDを非表示/違反報告)
miiika(プロフ) - 夢中になって時間を忘れてました!大好きな作品です!!更新楽しみにまってます! (2020年5月31日 18時) (レス) id: bda362bf51 (このIDを非表示/違反報告)
みゅう(プロフ) - 更新うれしいです(涙) (2020年5月8日 22時) (レス) id: 0ce10784e5 (このIDを非表示/違反報告)
にいな(プロフ) - 今までたくさんのお話を読んできましたが、こんなにはまったお話本当に久しぶりです(T-T)ふるさんにしかない表現や世界観に引き込まれていきます!!完結楽しみにしています!これからもゆっくりふるさんのペースで頑張ってください! (2020年4月24日 1時) (レス) id: fa4e2366ed (このIDを非表示/違反報告)
めい(プロフ) - お帰りなさい。たまに読み返してみたりしていたので、更新嬉しいです。 (2020年4月21日 16時) (レス) id: 0d7011afb2 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ふる | 作者ホームページ:http://twitter.com/ei_njo  
作成日時:2017年9月25日 18時

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