知らなくてもいい話8 ページ34
それ以降、エンジェルズ・シェアでガイアから仮に話を持ちかけられても、モンドの事件やら闇夜の英雄の噂話であり、彼女の話を振ることはなかった。
こうしてガイアが彼女に関する話を持ちかけてくるのは二度目だが、…待ち望んでいた目撃情報を得た直後という最高なタイミングで現れれば、自然と不愉快になる。
「それで、これからどこに行く予定なんだ？騎士団か？」
「騎士団？どういう意味だ。モンドから外へ出るのに、モンドの民が騎士団へ出向いて一々報告する義務があるとでも？ 」
騎士団という言葉に思わず顔が歪む。
…単純に引き止めるためにそんな戯言を言うのか？
あるいはただの冗談の一種？
しかし、ガイアは僕の返答に目を丸くする。僕の推測は違っていたようだ。
…一体何に驚いているのだろうか。
「…聞き間違いじゃなければ、今モンドから出ると言ったか？」
「ああ。」
「どこに向かう予定だ。」
「どこだっていいだろ。」
鬱陶しくなってきた義弟に僕は腕を組んでどう撒いてやるか考える。
「…まさかスメールに行くんじゃあないよな？」
「な…」
今度は自分が驚く番だった。
「……図星か。」
ガイアは頭に手を当てやれやれと口にする。
どこで情報が漏れた？いや、ガイアは先程まさかと言った。もしかしたら確証を持っていたわけではなかったのか？
…先程の騎士団に行くのかと言う指摘も気になる。
まぁ、とにかく。とガイアは僕の思考を遮った。
「今スメールに行くのはお勧めしない。 」
「…根拠は？」
「俺の直感だ。」
「………。」
「というのはもちろん冗談だから、その冷ややかな眼差しはやめてくれないか。」
仕方ないとでも言いたげにガイアは話を続ける。
「…先程スメールからやってきた商人を違法物持ち込みの件で捕えたんだが、旦那はもう知ってるな？」
「知ってるも何も、あんな事件があったのにも関わらず騎兵隊長ともあろう方がこんなところで油を売ってるのが不思議で堪らない。」
「ハハッ、そう言ってくれるなよ、旦那。
スメールと連絡を取ろうにもこんな時間なんだ。審議の結果、本格的な仕事は明日からとなったのさ。
ま、証拠も十分に揃ってるんだ。商人は間違いなくスメールにまで引き渡されるだろう。それはもう大々的にな。
…だから気がかりなのさ。今スメールに行けば足止めを食らっちまう。そうだろ？」
あっちでもお前は有名人だからな。
にやりと笑ってそう指摘する。
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沙稀乃(プロフ) - Dorothyさん» こちらこそ、読んでいただきありがとうございます！！とっっても嬉しいです！！また、ネタが降りてきたら、第二部みたいなのを一気出しをしますので、その時はよろしくお願いします！！(*^^*) (11月26日 12時) (
レス) id: 5e2cd7ca09 (このIDを非表示/違反報告)
Dorothy(プロフ) - 推し×ヤンデレ大変誠にありがとうございます、毎秒更新楽しみにしております最高 (11月25日 21時) (レス) @page26 id: 7168971a27 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：沙稀乃 | 作成日時：2023年11月24日 17時
