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知らなくてもいい話6 ページ32

ガイアは彼女のことを義姉さんとわざとらしく呼んだが、別にその呼び方を嫌悪しているわけではない。

「その義姉さんを僕の幻想だの吐いた挙句、ついには頭が狂ったんじゃないかと煽ってきたのは、どこの誰だ?」
「だから、あのことは悪かったって謝ってるじゃないか…。」

ガイアは眉をハの字にして困り顔をする。
その姿に思わずため息が溢れた。

事の発端は、僕がモンドへ戻った直後のことだ。


このモンドで彼女が暮らすのなら、不自由のないようにしよう。
そう考えた僕は、捜索の傍らで彼女を迎えられる準備を整えていた。

いつでも彼女を出迎えられるように、屋敷の一室をまるごと新調して、毎日花瓶に花を添えた。
位置はもちろん僕の部屋の隣だ。その方が何かと利便も良い。
ついでに、次々と舞い込んでくる縁談は全て断って、そういった話を一切受け入れないように手を回す。
これで、僕の縁談話に彼女が余計な気を張らなくて済むだろう。

そもそも彼女以外の女性を愛せそうにない。
彼女が例え僕の求婚を受けないからといって他の誰かを娶るつもりもなかった。そうするぐらいなら死んだほうがましだ。

だからこそ、宣言したにもかかわらず届いてきた縁談の申込みの手紙は執事に焼却するように指示をしたが、…なぜか困惑された。

景観にも手を入れてみた。
彼女が興味深く見ていた植物を庭園に植えて、彼女が美味しそうに頬張っていた林檎も、たくさん用意しておこう。

きっと喜んでくれるはずだ。

そういえば、葡萄は好きだろうか?
彼女さえ良ければ、ワイナリーの葡萄を一緒に選別してみたい。要領がいいから僕が手取り足取り教えればきっとすぐ上達するだろう。
彼女が選別した葡萄ジュースはもちろん個人の出費で買い占めるので市場にはださない。


彼女とならば、きっと何をやっても楽しいだろうな。

そんな未来を期待しながら準備を整えると随分と気分がよくなる。彼女がいないこの現実も、今後彼女と楽しむための前段階に過ぎないと思えばなんてことはない。

恋とはこんな単純なことで感情が揺らぐものなのかと、内心驚きながらも納得してしまう。

彼女が笑ってくれるなら幸せを感じるし、泣いていたらその原因を全て排除するし必要であれば裏で内密に処分することも厭わない。

正直、モンドで悪事を企むアビスの連中やファデュイを裏で粛清するのも、平和を好む彼女が自らモンドに足を運んでくれる要因になるはずだと思えば沈む心もいくらばかりか精が出るのだ。

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沙稀乃(プロフ) - Dorothyさん» こちらこそ、読んでいただきありがとうございます!!とっっても嬉しいです!!また、ネタが降りてきたら、第二部みたいなのを一気出しをしますので、その時はよろしくお願いします!!(*^^*) (11月26日 12時) (レス) id: 5e2cd7ca09 (このIDを非表示/違反報告)
Dorothy(プロフ) - 推し×ヤンデレ大変誠にありがとうございます、毎秒更新楽しみにしております最高 (11月25日 21時) (レス) @page26 id: 7168971a27 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:沙稀乃 | 作成日時:2023年11月24日 17時

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