19話 ページ21
「――まぁ、そういう経緯だから、俺も何か手助けができればと思ったんだ。
だが、俺はモンドの外に明るいわけじゃない。正直やれることは殆ど無くてな。どうするべきか困り果てていたんだが、丁度そこにA、お前が現れたってわけさ。」
じぃっと彼は私を見つめるものだから、私は顔をしかめてしまう。
「…あの、過度に期待されても、応えられません。
冒険者になりたてですし、第一、貴方のように『神の目』を持っていません。」
ガイアが私に人探し手伝ってほしいと言われる前に、申し訳ないとは思いつつも、断りの言葉を伝える。
この人探しは、どう考えても私個人でどうにかできる話ではない。
人探しに関する依頼は受けたことがあるが、範囲がそもそもテイワット全土。
…無謀にもほどがある。
しかし、ガイアはきょとんとした顔をして、―なぜが笑った。
「ああ、いや、違うぞ?」
「??」
「俺がお前にこんな話をしたのは、―――外見の特徴がお前とあまりに酷似していたからだ。」
「は?」
ガイアはそのアイスブルーの瞳を閉じて、語りだす。
「……『黒羽のような艷やかな髪に、ルビーのような鮮烈に瞬く赤い瞳、ドラゴンスパインに降り積もる雪のように白い肌。』」
私は自分のボサボサの黒髪を触り、血の気のない自分のガサガサした手の肌を見る。……そう言えば任務のせいで最近手入れできてない。
私の眼球は、悲しいことにそんなきれいな比喩表現では済まない。見た者に不快感を与えるほど威圧感のある赤色だ。……そう、仮面をつけないといけないぐらいには。
そもそもガイアは私の目を見ているはずなのに、なんでそう思ったんだ。
私の目をそんな宝石に例えられちゃうと、むしろルビーに失礼じゃないか。
しかし、ガイアの狂言はまだ続いた。
「『林檎を美味しそうに頬張る姿は愛らしいのに、剣を手に取る姿は誰よりも美しく洗練された動きをする。微笑む姿は沈んだ者の心の奥底まで優しく照らすように慈愛に溢れている。』」
正直、彼女の特徴と私の共通点がまったくない。
林檎を食べると頬が緩むので、愛らしいとかのレベルではなく単純にだらしない。
……気持ち悪いから気を引き締めろとよく指摘されるがそのくらい許してほしい。
戦う姿については、…体が頑丈なのでいくら刺されても殴られても倒れない私をみた敵は口々に『ゾンビ』だの『化物』だの暴言を吐かれたことはある。
失礼な、私はかっこいいレディなのに。
128人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
沙稀乃(プロフ) - Dorothyさん» こちらこそ、読んでいただきありがとうございます!!とっっても嬉しいです!!また、ネタが降りてきたら、第二部みたいなのを一気出しをしますので、その時はよろしくお願いします!!(*^^*) (11月26日 12時) (レス) id: 5e2cd7ca09 (このIDを非表示/違反報告)
Dorothy(プロフ) - 推し×ヤンデレ大変誠にありがとうございます、毎秒更新楽しみにしております最高 (11月25日 21時) (レス) @page26 id: 7168971a27 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:沙稀乃 | 作成日時:2023年11月24日 17時