18話 ページ20
「それが、あいつはその女性についての外見を知ってはいてもその内情を何も知らないんだ。…名前もな。
それにどうやら、その女性は隠れるのが相当上手いようだぜ？
そこにいたという痕跡すらも丁寧に消して、各地を転々と回ってるらしくてな。
小さな手がかりは掴めても、彼女の行動パターンもこちらの意図を読み取ってか、いつも惑わせる動きで、次の行き先の予測もつかめない。
正直、手に追えないらしい。」
「それはすごいですね。」
「だろう？」
彼女に、感心せざる負えない。
かつて私も青年と別れて以降、崖から見を投げ出して追手を撒いたはいいものの、隠れて逃げる生活をしていた。
なんせ追手が「死んだ」と確実に勘違いしてくれるまでは隠れておく必要があったのだ。
当時の私はまともに会話もできず文字も理解できない。つまり、外部の「情報」を何も得られなかった。
だから、周りの人々を皆、敵と思い、ずっと身を潜めて逃げ続けるしか方法がなかった。
今私がスメールに身をおけるようになったのは、ひょんなことから出会ったとあるスメール人が私に色々と「知識」を授けてくれたからだろう。
その女の人もそういった出会いに恵まれているといいのだが……あれ、
「ちょっと待ってください。なんで名前も知らないんですか？」
「さあな。もしかすると出会ったのが普通じゃなかったから、じゃないか？」
「…そう、いうものですか？」
相手の素性どころか名前も知らないまま、関わりを持つだなんて、それはかなりのレアケースだろう。
まぁ、確かに私も彼と出会った当初は刃を向けあったため、普通じゃない出会いについてはわからなくもない。
当時の私は顔の上半分は仮面で隠し、口元はガスマスクで庇っていた。おまけに言葉も伝わらない。
……不審者だと彼に襲われても致し方なかったと思う。
しかし戦いの最中、突然彼が倒れてしまったので仕方なく介抱したわけだが、…その後襲いかかることはなかった。
かわりにしばらくの間は疑わしい目で見られていたけれども。
きっと彼から見れば、私は相当気味の悪い人物に見えていたのだろう。
きっと行方不明の彼女もガイアの知人とはそんな歪な関係から始まったに違いない。
「しかし、あいつもかなり熱が入ってるらしい。裏でどんな些細な情報にも大金を払うって噂が出回ってるくらいだ。」
グラスを回しながら、彼はボソリとそう呟いた。
ガイアは"知人"と表現する割には、その人にかなり入れこんでいるみたいだ。
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沙稀乃(プロフ) - Dorothyさん» こちらこそ、読んでいただきありがとうございます！！とっっても嬉しいです！！また、ネタが降りてきたら、第二部みたいなのを一気出しをしますので、その時はよろしくお願いします！！(*^^*) (11月26日 12時) (
レス) id: 5e2cd7ca09 (このIDを非表示/違反報告)
Dorothy(プロフ) - 推し×ヤンデレ大変誠にありがとうございます、毎秒更新楽しみにしております最高 (11月25日 21時) (レス) @page26 id: 7168971a27 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：沙稀乃 | 作成日時：2023年11月24日 17時
