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11話 ページ13

大量の本を見せられ思わず固まってしまったが、ちゃんと礼を口にする。

「…ありがとうございます。」

おすすめされたからにはちゃんと読まなければ失礼だ。

だ、大丈夫!
2、3日程度本を読むぐらいどうってことない。休暇長めに取ればいいんだから!

「ふふ、いいのよ。
でも、―もし時間があまりないのなら、……そうね、この本がいいわ。」
そう言って彼女が渡してきたのは、あまり分厚くない1冊の本だ。
「かなり省かれているところはあるけれど、今の貴方にはうってつけの本かもしれないわね。」
「へ」
顔を上げれば、悪びれもなく彼女はクスクスと笑っていた。
「ふふっ、ごめんなさい。反応がとても可愛いものだからつい、意地悪しちゃったわ。」
「えぇ…!?」

「じゃあ、私は戻るけど、なにかあったら呼んでちょうだいね。」
そう言って大量の本を机に置いたまま、上のカウンターへ戻っていった。

「……。」
ま、まあ、いいか。
嵐のように去っていった彼女を呆然と眺めていたが、改めて彼女に勧められた本を広げた。




図書館司書に勧められたあの1冊を読み終える頃には、テイワットの夕日がモンド城内をオレンジ色に染めあげていた。
本のおかげでモンドについて何も知らなかった私でも観光地や場所をそれなりに理解できた。ある程度のプランを練ることができたから、―あとは夕飯でも食べて明日に備えよう。
 
道中の人助けや、任務に追われる日々だったから、こんなに一日を自分の娯楽に使ったのは初めてで、キャサリンのいう休息に近いことができたのでは?と少し充実感に満ちたりていた。

 なんだか早い一日だったなぁ…。と騎士団から出ていくと、ぱたりと今朝の騎士と鉢合わせる。

「ガイアさん。」
「…こうしてまた会うとは奇遇だな、A。」

私を見るなり、彼は目を丸くしたが―すぐに胡散臭い笑みを浮かべた。

マントを僅かに揺らして彼は私に近づく。

今一度見れば、マントというよりペリースだろうか?

…まぁ、この際なんでもいいだろう。
相変わらずふわふわした羽毛のようなものが彼の襟に巻き付いてるみたいだけど、あれを身に着けていて仕事に支障は出ないのかな?…謎だ。

「てっきりモンドから離れたと思ってたんだが…、早速、騎士団に用があったのか?」

「ああ、違います。…その、騎士団の図書館を利用してました。せっかくモンドに来たから、観光をしてみたいと思って…」

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沙稀乃(プロフ) - Dorothyさん» こちらこそ、読んでいただきありがとうございます!!とっっても嬉しいです!!また、ネタが降りてきたら、第二部みたいなのを一気出しをしますので、その時はよろしくお願いします!!(*^^*) (11月26日 12時) (レス) id: 5e2cd7ca09 (このIDを非表示/違反報告)
Dorothy(プロフ) - 推し×ヤンデレ大変誠にありがとうございます、毎秒更新楽しみにしております最高 (11月25日 21時) (レス) @page26 id: 7168971a27 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:沙稀乃 | 作成日時:2023年11月24日 17時

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