交渉結果 空夜 ページ10
「それはね……」
面白い暇潰しはないか、とディアボロに返された空夜は、横目で影の顔を見る。一瞬視線が交差し、空夜と影の間でなにかが取り決められ―――空夜は、ディアボロに言った。
「私達、つまり私と影と、模擬戦をしてみないか?」
影がやれやれといった風に息を吐く。ディアボロは「ほー」と相槌を打っている。
「空間は私が用意するから周囲に被害は出ないし、君だって全力を発揮して戦闘が出来る。君の実力なら私と影がコンビで丁度いいくらいだろう?被害を気にする事なく、全力が発揮でき、それなりに噛みごたえのある相手も揃っている。十分暇は潰せるさ」
「ふんふん、なるほどねぇ」と内容を吟味しているディアボロ。空夜はさらに続ける。
「ああ、ついでに私の知識を総動員して、君のお眼鏡に適う格好良さげな詠唱も考案するというのもアリかもしれないね。……うーん、すまない。自分で言ってて何なんだが、私には暇潰しを考える才能はあまりないようだ。君が何か面白い暇潰しを思い付いたら、私の出来る範囲であればなんでもやろう。どうやら私は君と価値観が合いそうだからね、暇潰しには存分に付き合おう」
空夜の提案を聞き、しばらくなにかを思案したのち、ディアボロはパチンと指を鳴らした。
「とりあえず一回、模擬戦をやってみる。で、面白かったらOK。つまらなかったら交渉は決裂。どう?」
「交渉の余地が出来ただけ有難い限りさ。すまないね、私の発想力が乏しいばっかりに。―――さて影、ディアボロ・エックスバレットが模擬戦をやってくれるとさ。君もいい暇潰しになるんじゃないかな?」
「ごたごた言葉を並べるんならさっさと準備しやがれ。ほら、お前に付きまとってる半吸血鬼の……紅葉紅音だっけか?こいつはどうするんだよ」
「僕は芹亜と一緒ならなんでもいいよ?芹亜一人が傷付くのは絶対に許さないけど、僕と芹亜が同じ痛みを分かち合えるのなら、それは素晴らしい事じゃないか。その模擬戦?っていうのに芹亜がどうしても行かなきゃいけないなら、僕は何が何でも付いて行くからね」
「「「…………」」」
紅音の最後の一言に、場の全員が絶句する。唯一、影だけが突っ込んだ。
「お前の価値観どうなってんだよ……」
「……うん、まあ、私は別に構わない……かな。うん」
空夜は呆れ顔で頷く。一度咳払いをして空気感をリセットすると、空夜は指を鳴らして声をかけた。
「―――こほん。さて、早速模擬戦を始めようじゃないか!」
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うp主こと東方好き死神まお(別アカ) - さっきさん» ありがとうございます! (2022年8月19日 13時) (レス) id: d45d880fd4 (このIDを非表示/違反報告)
さっき(プロフ) - 更新しました!あと、お話がいっぱいなので新しく作っておきます! (2022年8月19日 13時) (レス) id: cc7395c068 (このIDを非表示/違反報告)
さっき(プロフ) - 更新します! (2022年8月19日 12時) (レス) id: cc7395c068 (このIDを非表示/違反報告)
フウ(プロフ) - 更新しました! (2022年8月19日 12時) (レス) id: b910a0dd1c (このIDを非表示/違反報告)
フウ(プロフ) - 更新します! (2022年8月19日 12時) (レス) id: b910a0dd1c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:サナティ x他5人 | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/
作成日時:2022年8月6日 9時