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定義 白華 ページ40

絵を描き続ける私。
最後にひと塗りし、私は筆を置く。
題名は、『崩壊都市』…ってところか。
外を見ると、夕日が沈みかけていた。

「終わったか」

本を読んでいた狂花が、ふと顔を上げる。

「…嗚呼、なかなかいいものが描けたよ」

「ずっと描き続けていた訳だしな…なかなかいい出来だ」

「そうかい?ならいいんだが」

その私の言葉に、狂花は首を傾げた。

「君はわかっていないのか?自分の絵がなかなかに素晴らしいということを」

「…さあな。私が重視するのはあくまで絵を描くという『過程』。『結果』になど興味が無い」

「…本当に君は変わり者だな。普通の人間なら、出来上がった結果を重視するだろうに」

そう言って、狂花は私に向かってカップを放り投げる。
本来なら地面に落ちて割れるはずのカップは綺麗な放物線を描き、私の手に着地した。
私が中に入っていた珈琲を啜ると、狂花は徐にこちらを向く。

「…そんな変わり者の君に、一つ聞きたい事があるんだ」

「…何だ?」

「君は…『魔法』とは何だと思う?」

その質問は、あまりにも突飛なものだった。

「…そんなの…君なら、とっくにわかってるだろ?」

「そうだ。でもそれは、僕の考えに過ぎない。君にとって、魔法とは何だ?」

そう言って美しい笑みを浮かべる狂花。
私は、表情一つ変えずに言った。

「…魔法というのは、奇跡でも何でもない。努力だ。人間が気が遠くなるほどな努力をして生み出し
 た、世界一無駄(・・)な努力の結晶だ」

私が言うと、狂花はほう、と面白そうに呟く。

「僕は今まで数多の人妖の思考を見てきたが、魔法を『無駄』と言ったのは君が初めてだ。なかなか
 侮れないじゃないか、君」

「なら良かった」

私は言い、ふと考えてからまたもや口を開く。

「喜んでくれたお礼に教えよう。いや、君ほどの頭脳の持ち主なら、とっくに気づいているかもしれ
 ないが−」

そこまで言うと、狂花が面白そうに言う。

「嗚呼、流石の僕も驚いた。君たちが普段いるハコニワパレットは−一切の能力の干渉を受けない
 んだろ?」

夕食と乱入者、それからそれから 狂花→←罵倒の応酬と悦ぶ少女 リズベット・ウィンチェスター



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うp主こと東方好き死神まお(別アカ) - さっきさん» ありがとうございます! (2022年8月19日 13時) (レス) id: d45d880fd4 (このIDを非表示/違反報告)
さっき(プロフ) - 更新しました!あと、お話がいっぱいなので新しく作っておきます! (2022年8月19日 13時) (レス) id: cc7395c068 (このIDを非表示/違反報告)
さっき(プロフ) - 更新します! (2022年8月19日 12時) (レス) id: cc7395c068 (このIDを非表示/違反報告)
フウ(プロフ) - 更新しました! (2022年8月19日 12時) (レス) id: b910a0dd1c (このIDを非表示/違反報告)
フウ(プロフ) - 更新します! (2022年8月19日 12時) (レス) id: b910a0dd1c (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:サナティ x他5人 | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/  
作成日時:2022年8月6日 9時

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