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幕間休憩 空夜 ページ14

「ふいー、これで死なないとは大したもんだ。普通だったらかかった瞬間に自分を見失って死ぬからねぇ。さっすが、大悪魔と賢者と半吸血鬼だわ。まさかこんだけの時間粘るとは」

突如意識が現実に引き戻される。しばらくは黙って浅い呼吸を繰り返していたが、鮮明になった思考がゆっくりと回り出し、空夜はやっと言葉を発する余裕が出来てきた。

「……いや、その、ディアボロさん。あれは一体なんなんだい?」

「えーっとねぇ、簡単に言うと地獄の入り口みたいなもんをちょろーっと見せるみたいな。正確に言うと地獄とはちょっと違うんだけど、まあそれはそれとして。んで、普通だったらあそこに行くと自分を見失って死ぬ。確実にみんな死ぬからあくまで最終手段なんだけど、まさか粘れる奴が居るとはねー。ワンチャン一人くらいは乗り切るやろとは思ったけど全員乗り切ったかぁ」

軽い調子で言うディアボロ。それに対して、全員が思った。―――ちょっとしたお試し感覚で即死級の攻撃をしてんじゃねぇ、と。

「……はぁ。正直、私はちょっと危なかったな。危うく自分を見失うところだった」

不服そうな顔をしながら頭を掻く影。大悪魔の尊厳というかプライドというか、そういったものが影にもあるのだろう。空夜は「見失ってくれた方が扱いやすいから見失ってくれても良かったけどね」と恒例の悪態を吐き、

「影は言霊を封じられていたし、仕方ないさ。それに、自分を見失いかけていたのは私もだ。もう少し静止が遅れたら死んでいた。紅音さんの声が聞こえたおかげかもね」

「ええっ、僕の!?もしかして聞こえてたの!?……そ、そっかぁ。でも、僕のおかげかぁ……うん、芹亜が生きててくれて良かった。芹亜が死んじゃったら僕は本当に……本当に……」

瞳に涙を溜める紅音の背中を、空夜はとんとんと叩く。面倒だなぁと思うと同時に、若干の世話しがいを感じ始めている自分に軽く引きつつ、「……あぁ、ところで」と空夜は切り出した。

「次は私のターンだったかな。さっきので大分体力と気力が削られてしまったから、少し退屈させてしまうかもしれないが」

「まだやる気かよ……こっち的にはほぼ負けたようなもんだが、まぁ暇潰しには付き合うって約束しちまったしな」

「あぁ、それなんだけど。別にもういいや。結構面白かったし」

ディアボロは実にあっさりとした口調で言う。

「「えぇ/はぁ!?」」

まぁ、そうなるのは当然といえば当然である。

飽き性な少女 ディアボロ→←常闇のせかい 空夜



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うp主こと東方好き死神まお(別アカ) - さっきさん» ありがとうございます! (2022年8月19日 13時) (レス) id: d45d880fd4 (このIDを非表示/違反報告)
さっき(プロフ) - 更新しました!あと、お話がいっぱいなので新しく作っておきます! (2022年8月19日 13時) (レス) id: cc7395c068 (このIDを非表示/違反報告)
さっき(プロフ) - 更新します! (2022年8月19日 12時) (レス) id: cc7395c068 (このIDを非表示/違反報告)
フウ(プロフ) - 更新しました! (2022年8月19日 12時) (レス) id: b910a0dd1c (このIDを非表示/違反報告)
フウ(プロフ) - 更新します! (2022年8月19日 12時) (レス) id: b910a0dd1c (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:サナティ x他5人 | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/  
作成日時:2022年8月6日 9時

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