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怪物の片鱗 紅音 ページ2

―――東京―――
紅葉紅音は、当然ながら空夜に同行していた。……背後に抱きつくかたちで。

「ねぇ影、私は紅音さんをどうすれば良いと思う?」

「ぷっw……んんっw……いやw……そいつはお前をw……気に入ってw気に入ってるわけだろwww……じゃあご期待にw応えてやればwいいんじゃねぇかwwwwwww」

「……君に聞いた私が馬鹿だったよ」

遠い目をする空夜、大笑いする影。怪物達をねじ伏せながら馬鹿話をする二人を、背中に抱きついている紅音は素知らぬ顔で眺めている。

「芹亜、君は戦うべきじゃないよ。僕が代わりに戦うからさ。君の手が血に汚れる所なんて、僕は見たくないんだよ」

流れるように口説き文句が出てくる紅音に、影は再び笑いのツボを刺激されたらしい。涙すら流し始めた影の横腹にボディブローを一発いれて、空夜は紅音に話しかけた。

「大丈夫さ、紅音さん。君こそ戦おうとするのはよしてくれ。私はとても強いからね」

「また芹亜はそうやって無茶して!ねぇ芹亜、強がるのはやめてよ。僕なんかどれだけ傷ついたっていいんだ。僕は君よりずっと死に難いんだから。でも芹亜は違うじゃないか。僕は吸血鬼の血が流れているけど、君はただの人間じゃないか。芹亜、芹亜、僕は君が傷つく事だけが、世界で一番怖いんだよ!」

突然声を荒げる紅音に、紅音が半吸血鬼である事を知らなかった影は勿論、空夜もひどく驚いたような目をした。紅音はそんな事には気付かず、独白を続ける。

「ねぇ芹亜、僕は君が無事で居る為ならなんだって出来るんだよ。だから少し待っててね。この周りにいる奴らなんて、僕が全員ぶち壊してあげるから」

紅音の最後の一言には、ひどく冷たい響きがあった。同時に、紅音の目から光が消えた。紅音はぼそぼそと何かを呟き、パチンと指を弾いた。

「再現するのは、これが始まる前の東京」

芹亜が一言言うと、被害を受けた都心の一帯が一瞬にして組み変わった。ひび割れたアスファルトや崩壊した高層ビル、炎に包まれていた自動車や街路樹、行き交っていた有象無象の人間までもが、完全に復元されていた。そこら中を暴れ回っていた怪物は消失し、見る影もない。そこに復元―――否、再現(・・)された東京には、完璧なまでの平穏があった。

「これは……紅音さん、君の能力なんだね」

「そうだよ!芹亜、これで君は戦わなくて良いだろ?ねぇ、この後どうする?」

無邪気に笑う紅音に、空夜と影は空恐ろしいものを感じずには居られなかった。

終結、そして偶然 剣城→←出番がなかった死神の叫び 被華



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うp主こと東方好き死神まお(別アカ) - さっきさん» ありがとうございます! (2022年8月19日 13時) (レス) id: d45d880fd4 (このIDを非表示/違反報告)
さっき(プロフ) - 更新しました!あと、お話がいっぱいなので新しく作っておきます! (2022年8月19日 13時) (レス) id: cc7395c068 (このIDを非表示/違反報告)
さっき(プロフ) - 更新します! (2022年8月19日 12時) (レス) id: cc7395c068 (このIDを非表示/違反報告)
フウ(プロフ) - 更新しました! (2022年8月19日 12時) (レス) id: b910a0dd1c (このIDを非表示/違反報告)
フウ(プロフ) - 更新します! (2022年8月19日 12時) (レス) id: b910a0dd1c (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:サナティ x他5人 | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/  
作成日時:2022年8月6日 9時

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