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龍友は着ていた学ランを脱いでAに向けた。
「沢山泣いてイイよ。 俺、黙って待つのは得意だからさぁ 」
向けられた黒い塊。 Aは受け取って始めて
それが制服だと云う事に気付いた。
脱いで丸められた制服は、まだ温もりが残り
春山と同じ煙草の匂いがした。
「制服じゃん。 使えないよ 」 突き返すも
断られてしまう。
「教室に鼻紙はあっけど、授業始まってっから
流石に入れないからね〜・・・・・・
嫌かもしれないけど我慢しろよ 」
「でも・・・・・・ 」
「その、でも←って〜の辞めれば?
何か色々、俺も困るし・・・・・・。
大事な先輩の大事な彼女だから優しくしてるだけなんだから
勘違いすんなよな!!
居ない間、俺が代わりに優しくしてやってるだけなんだから・・・・・・
甘えとけ 」
教室並びの壁に背を凭れて並んだ二人。
Aは頷いて受け取った制服で豪快に鼻をかんだ。
その豪快な音色に龍友はギョッとするも
「仕方ねぇか 」 諦め混じりに微笑んで
黙って廊下の床に胡座をかいて座った。
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作者名:10 | 作成日時:2016年7月16日 21時