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「待っててイイに決まってんじゃん!
春山さんだって待ってて欲しいに決まってんだろ 」
「本当に? ・・・・・・ でも、だって・・・・・・ 」
ーー どうか幸せで居てね ーー
流翔に最後に言われた台詞。
この台詞に返す間も与えて貰えないまま電話を切られてしまった。
「ママ達は私が待ってちゃ嫌かもしれないもん・・・・・・ 」
「って春山さんの母ちゃん? 」
「そ・・・・・・ 」
これから春山から来るんであろう手紙の中身は
別れの言葉が綴られているのかもしれない。
もしかしたら現実味が無かったから泣けなかったんじゃなくて
これから下されるジャッジに恐れて泣けていなかったのかもしれない。
始めて、待ってるんでしょ? と当然の様に言われて
こころの中にあったモヤモヤした何かが逆流したのか
捕まったと訊いてヤット目頭が熱くなっていくのが解った。
「それはねぇ〜っしょ〜。
一緒に住んでたんでしょ? 仲良くやってたんでしょ? 」
龍友はAに言い聞かせるように
優しい声で言った。
「仲良くやってたって・・・・・・ 私が勝手に思ってただけかもしれない。
本当は迷惑だったのかも・・・・・・。
春山くんだって別れるタイミングを狙ってて
やっと離れられると思ってるのかもしれないじゃん・・・・・・ 」
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作者名:10 | 作成日時:2016年7月16日 21時