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「・・・・・・ 春山さん達がパクられたんだけど、知ってる? 」
耳を澄まさなければ聞こえない程のトーンで龍友が言った。
Aは無言でコクりと頷いた。
「そっか・・・・・・。 それなら良かった。
知らねぇまんまだったら、どうしようかと思ってたから 」
「・・・・・・。 どうして? どうして数原は居るの?
一緒に捕まったんじゃないの? 」
「やっぱ知ってたんだ・・・・・・?
俺は日の出も卒業も走ってねぇから釈放されたんだけど・・・・・・ 」
何基準で春山が捕まったのかAには解らなかった。
同じメンバーなのに片や捕まり、片や帰って来た。
全く意味不明だった。
「そう・・・・・・ なんだ 」
対峙していた顔。
それはAがぐったり頭を下げてしまった事で今では非対峙。
Aの視界の先は自分の上靴で
龍友の視線の先はAの旋毛になっていた。
「待ってるんでしょ? 」
「・・・・・・ 待ってても良いのかなぁ・・・・・・ 」
Aの視界が徐々に歪み始めていた。
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作者名:10 | 作成日時:2016年7月16日 21時