原神〜2人の姫と1人の王子〜 VI (ページ44)

今日:28 hit、昨日:6 hit、合計:8,523 hit

section 11 ページ44

久「帳簿を見せていただけますでしょうか？」

快く久利須さんに帳簿を渡し、久利須さんは帳簿を丁寧に読んだ

久「この帳簿にあるものと以前商会が納めた税金の額はすべて一致しています。間違いありません。
　慶次郎さん、もう何も言わなくて結構です。今はこのことをどう解決するかが先決…」

慶「ふんっ…お、俺の弱みを握れたなんて思わないことだ。俺はただ、ちょっとだけ利益に目がくらんだだけで…」

『その「ちょっと」が商人たちを苦しめていることをご存知ないのですか？』

私はあたふたして、目を逸らす全く反省の色が見えない慶次郎の顔を真っ直ぐ見て訴える

実際に、貧乏に漬け込んだ悪知恵を働かせたのはこの人なんだ。
確かにこの人が全て悪いと言われたらそうではない……けれど、この離島を苦しめ、そのお金で飲食をするなんて
もってのほかだ。

この離島に尽くすというなら私も考えた。けど、「最近稼ぎがいい」という言い訳で、「実際よりも高い税金の徴収」という真実を闇に隠して言い訳するのは良くない

慶「……」

私の言葉に慶次郎さんは黙る

久「そういえば、奉行武士は誉と名望を大変重んじると聞きました。奉行府からお咎めはなくとも、
　このことが露見すれば…」

慶「おい、聞き捨てならんぞ！脅しか！それは俺を脅してるのか！」

久「いえいえ、ただあなたのような君子殿に、汚点が残ってしまうことを心配しているだけですよ」

慶「くっ…じゃ、じゃあ…お前が正しいということにしよう。で、どう処理するつもりなんだ？」

久「まだ、お手元に「晶化骨髄」をお持ちですよね？
　それらを使いこれから先少しの間、税金を立て替えてください。我々商人には状況を立て直す時間が必要です」

パ「それだけで…いいのか？」

慶「ふんっ、あれらは俺が一生懸命運んで大事に隠したものだ。それをみすみすと…ちっ、いいだろう。
　お前の顔に免じて、ただでやる」

パ「面の皮が厚すぎる…」

ハ「そんなんで納得がいくもんか！俺の店はもう何日も閉まってる、すべて友人の助けでつないでいる状態だ。
　この損失の責任はいったいどう取ってくれるんだ！」

久「ハリソン！もういいんです、これ以上は…」

ハ「搾取されるのはもううんざりだ、この件がそう簡単に終わると思うなよ！」

久「ハリソンッ！」

今まで温厚だった久利須さんが初めて声を荒げた