原神〜2人の姫と1人の王子〜 VI (ページ5)

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北「その服装と、横にいるチビのであんたたちだって分かったよ」

パ「ちびじゃない、パイモンだ！」

？「パイモン…ふむ、実に興味深い生き物。お二人からは風と大地の以外にも…うむ…星空の匂いがするでござる。
　そこの者は…少し変わった…太陽と月と…星の匂いでござるな」

パ「んぇ？なにがなんだって？今までで一番おかしな感想が聞こえてきたぞ…」

『匂い？』

？「気にしないでくれ。ただ拙者は、運命の出会いには意味があると信じているだけでござる」

蛍「この人も「吟遊詩人」？」

北「似たようなもんだが、稲妻では呼び方がちょっと違う。
　こいつは楓原万葉(かえではらかずは)、わけがあって暫くアタシの船に乗ってる。時折り出てきてはこういった
　ことを口にするんだ。」

万「船と海風があるのに歌を吟じぬのは、いささか風情に欠いているであろう？」

北「ははっ、たしかにな。「南十字武闘会」が開催されたら、あんたにも詩を披露する機会を設けてやるよ」

万「それは興次第というもの。何かのために書かれた詩というものは、そのほとんどが「意」を欠いたものに
　なるでござるからな」

北「せっかくの機会なんだ、それに大英雄たちも参加する。そう決断を早まるんじゃない」

あれ？話がどんどん進んでいってない？

順を踏んで説明をしてほしいんだけど…

パ「ちょっと待ってくれ、「南十字武闘会」ってなんだ？それに大英雄たちって…」

北「ん？アタシはてっきりそれの申し込みに来たのかと思ってたが、知らずにここに来たのか？」

『はい…すみません』

北「そんなに気にすんな。「南十字武闘会」、アタシが主催する武闘大会で、大勢の人が自らの武芸を披露する
　ために参加する。
　参加にあたっての決まりは二つ。一つ、何かしらの実績があること。少なくとも武芸がまったく出来ず、
　ただの遊び心で参加するのはダメだ。もちろん、あんたたちにその心配はいらない。
　あんたたちより実績のあるヤツなんてそういないからな。
　二つ、参加者は神の目を持っていてはならない。実力の差が開いちまうからな」

神の目はダメ…

じゃあ私は参加できないかな、観客席でお姉ちゃんの応援をしよ

この「眼」は神の目の例外。でも、神の目に変わりはないし…

蛍「神の目はたしかに持ってないけど…」

『……私は参加できない』