第39話 ページ40
「後はカバン...。」
カバンを置いているのは、私がはじめにいたあの部屋。
あんまり近づきたくなかったけど、あそこに入れられることはもうないと信じたい。
階段を駆けおり、部屋のふすまを開く。
カバンを手にとって去ろうとするが、どうも布団が気になって仕方ない。
私は布団を畳んで部屋を出ることにした。
大方用意も終わって、後は学校にいくだけ、というところ。
玄関には既に全員揃っていた。
幸「もう準備はできた?」
「待ってください!」
急いで靴を履き、準備万端。
大丈夫、学校にいけばきっと皆が助けてくれる...。
そう思って弦一郎さんが開いた扉の外に歩き出していく。
幸「じゃ、いこっか。」
精市さんは相変わらず私と手を繋いできた。
まだ人が少ない時間帯だからいいけど...。もう少し開けた道に出れば他の部活の人にも見られてしまう。
学校にはまだ私と弦一郎さんが別れたことは広まっていないから、端から見れば彼氏の前で他の男と手を繋ぐとんでもない女だろう。
「精市さん、あの...」
幸「どうかしたかい?」
「こんなことしてるの見られたら、なんていうか...。」
私が言いにくそうに口ごもっていると精市さんはギュッと、繋ぐ力を強くしてきた。
幸「フフ、恥ずかしがってるの?今から広めていけばいいでしょ?」
真「...A...。」
何も言い返すことができずにいると柳先輩が口を開く。
柳「弦一郎。今日は検査の日だろう?俺も赤也を迎えにいく。こっちへいこう。」
真「!すっかり忘れていた。そうだな。」
柳先輩は別の道へ、弦一郎さんは早歩きで学校へと向かっていった。
今いるのは私と、精市さん、そして仁王先輩の三人だ。
なんとなく気まずい三人...。正直早く離れたい...。
何も話さずに歩いていくと校門がみえた。
周りには他の部活生たち。みんなこちらをチラチラと見ている。
柳生「おはようございます、片渕さん、幸村君、仁王君。」
柳生先輩に声を掛けられた。
「柳生先輩!!おはようございます!」
柳生「...真田くんとなにかありましたか?」
やっぱり、私と精市さんが手を繋いでいることが気になるみたいだ。
柳生先輩の隣には、先に学校についていた弦一郎さんが。
真「!!待て!貴様っ!!その菓子はなんだっ!!!」
柳生先輩の声には気づかず、風紀委員としての仕事を全うしている最中。
まだ、誰にも話してはないか...。
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麗花(プロフ) - ももかさん» ももかさん!コメントありがとうございます!!仁王君はあんまりヤンデレにならなそうな人だったので!!でもまだまだ絶望に叩き落とすつもりです!ヤンデレは救いがないのが好きです! (3月20日 23時) (レス) id: b4309dff72 (このIDを非表示/違反報告)
ももか(プロフ) - 全部見たけどおもしろーい!!また更新されたら見ます!夢主ちゃんに希望があってよかった、、!! (3月20日 21時) (レス) @page31 id: 44e7241b69 (このIDを非表示/違反報告)
麗花 - 手塚ななさん!コメントありがとうございます!!全イケメンがヤンデレになってくれたら嬉しいですよね〜!更新頑張ります!! (3月17日 18時) (レス) @page7 id: b4309dff72 (このIDを非表示/違反報告)
手塚なな(プロフ) - ヤンデレっていいですね!!更新楽しみにしてます! (3月17日 18時) (レス) id: 308a374679 (このIDを非表示/違反報告)
麗花 - わー!!!満月らすとさん!コメントありがとうございます!!ヤンデレ最高ですよね?!頑張ります!! (3月17日 14時) (レス) id: b4309dff72 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:麗花 | 作成日時:2024年3月16日 21時