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第29話 ページ30

仁「俺の方が、真田より、幸村よりも先におまんのこと、好きじゃった。」

「えっ...?」

仁王先輩は言葉を続ける。


仁「入学式ん時。迷子になっとったおまんを見つけたときから、ずっと。」

入学式...?

「あっ...もしかして...。」


仁「入学式に出るのが面倒でのう。俺が中庭のベンチで寝とったら走ってきて。」

「...嘘の方向、教えたときですよね。」


広すぎる立海の敷地を歩いていたら、迷子になって。それでとりあえず誰でもいいから案内してもらおうと思って、寝ていた仁王先輩に話しかけたのだった。

仁王先輩は全く別の方向を教えたのだけど、そんなこと知らない私はお礼をして走っていって。

仁「騙されたなんて気付かずに元気よくお礼をしてくれたおまんを見て、好きになったんじゃ。
素直な反応を見せてくれてな。」

「そんなに早くから...?」

仁「それだけじゃないぜよ。次の日にお礼にって、ひよこの形したクッキーくれたじゃろ?
髪は乱れとって...。俺を探すために急いで来たんじゃなって思った。」

あぁ...した気がする。それ以降部活でしか仁王先輩とは会っていないけど。

「じゃ、じゃあ二年間ずっと...?そんな素振り一つも...。」

仁王先輩は私から離れて肩に手をおいてきた。

仁「俺は詐欺師じゃからな。他んやつの前でこんなことは言わん。そして...。」





他の三人とは違う、ちゃんとした瞳で私を見つめる。

仁「おまんが思っとる通り、俺はおまんの味方じゃ。今は信用できんでもいい。
けど、絶対にこれだけは覚えとってくれ。」

「...!!」

仁王先輩の私に対しての好きは、俺の物にしたいだとか、そういうものではない。

彼の真剣な瞳は、今は嘘をついていない。こんな目を見るのは初めてだ。


仁「この家にいるときは、俺はなんにもできん。あいつらの味方をしとる。
...学校では絶対に助けに行くから、待っとって。」


「ほ、本当にっ...?」

だけど、まだ完全に信じることはできない。こういっておいて、また騙してくるかもしれないから。

仁「ん。本当じゃよ。

丸井も、ジャッカルも、柳生も、赤也も...。皆お前の味方じゃ。」

仁王先輩はあのときのように、また私の頭をポンポンと叩く。

絶望しかなかった私の心に、一筋の希望が沸いたのが分かった。

「におっ、先輩っ......!」

今は、今だけは信じよう。例え裏切られても、今は味方がいるって思えれば、それでいいから...。

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麗花(プロフ) - ももかさん» ももかさん!コメントありがとうございます!!仁王君はあんまりヤンデレにならなそうな人だったので!!でもまだまだ絶望に叩き落とすつもりです!ヤンデレは救いがないのが好きです! (3月20日 23時) (レス) id: b4309dff72 (このIDを非表示/違反報告)
ももか(プロフ) - 全部見たけどおもしろーい!!また更新されたら見ます!夢主ちゃんに希望があってよかった、、!! (3月20日 21時) (レス) @page31 id: 44e7241b69 (このIDを非表示/違反報告)
麗花 - 手塚ななさん!コメントありがとうございます!!全イケメンがヤンデレになってくれたら嬉しいですよね〜!更新頑張ります!! (3月17日 18時) (レス) @page7 id: b4309dff72 (このIDを非表示/違反報告)
手塚なな(プロフ) - ヤンデレっていいですね!!更新楽しみにしてます! (3月17日 18時) (レス) id: 308a374679 (このIDを非表示/違反報告)
麗花 - わー!!!満月らすとさん!コメントありがとうございます!!ヤンデレ最高ですよね?!頑張ります!! (3月17日 14時) (レス) id: b4309dff72 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:麗花 | 作成日時:2024年3月16日 21時

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