第27話 ページ28
〜お風呂上がった〜
濡れた体を拭いて、服も着た。後は髪を乾かすだけなのだが...。
「...ない?」
どこを見てもドライヤーらしきものはない。私は長髪だから、髪を乾かさないと水をすって重くなってしまう。
仕方なくタオルを巻くがどうにも落ち着かない。乾かすことが一つのルーティンとして組み込まれているからだろう。
あたふたしていると外から声が聞こえてきた。
幸「もう上がった?」
幸村先輩だ。そういえば、待っててくれたんだっけ。
「はい!!でも、その...ドライヤーがなくて...。」
私が返事をすると幸村先輩は鍵を開けて入ってくる。
幸「真田はいっつもタオルだけで済ませてるからね。ドライヤーなら仁王が持ってるはずだよ。」
確かに、弦一郎さんは短髪だから、ドライヤーは必要ないのか...。
「そうなんですか!...貸してもらえるかなぁ...。」
幸「片渕が風邪なんて引いたら大変だし、きっと貸すよ。じゃあ戻ろっか。」
幸村先輩は私の手を繋いで歩き始める。
多分これからは移動の時、ずっと繋がれるんだろうな...。
幸「仁王。ドライヤー貸してくれない?」
リビングにいた仁王先輩は声をかけられると、あぐらの姿勢から立ち上がる。
仁「なんじゃ、やっぱりこの家にはないんじゃな。」
そういうとすたすたとこっちにやって来る。
仁「お前さんの髪を乾かせばいいんじゃな?こっち来んしゃい。」
幸村先輩と繋がれた私の手を強引に引き剥がすと、今度は自分の手に繋ぐ。
幸「いや、貸してくれればいいんだけど?」
幸村先輩は絶対怒っているけど、それを隠すような笑顔を見せる。
仁「これ外しとんのが参謀に見つかったら面倒じゃ。今のうちにつけ直した方がいい。そうしたらまた腕の自由がなくなるナリ。」
いや、バレないように浴室の部屋で乾かせばよくない...?それをつけるとしても私が乾かし終わったあとで...。
なんて考えていると
仁「大体おまんはもう十分一緒にいたぜよ。抜け駆けはせんのじゃろ?」
そういってリビングから私を連れ出していった。
幸「...。」
廊下へ出て、二階への階段を登り始める。
「あの、どこにいくんですか...?」
仁「俺の部屋じゃ。真田と参謀もおるから、静かにしとってな。」
「弦一郎さんの家なのに、仁王先輩の部屋...?」
仁「今、真田の家族はおらんから特別に貸してもらってるんじゃ。」
「へぇ...。自分の家があるのに、わざわざ...。」
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麗花(プロフ) - ももかさん» ももかさん!コメントありがとうございます!!仁王君はあんまりヤンデレにならなそうな人だったので!!でもまだまだ絶望に叩き落とすつもりです!ヤンデレは救いがないのが好きです! (3月20日 23時) (レス) id: b4309dff72 (このIDを非表示/違反報告)
ももか(プロフ) - 全部見たけどおもしろーい!!また更新されたら見ます!夢主ちゃんに希望があってよかった、、!! (3月20日 21時) (レス) @page31 id: 44e7241b69 (このIDを非表示/違反報告)
麗花 - 手塚ななさん!コメントありがとうございます!!全イケメンがヤンデレになってくれたら嬉しいですよね〜!更新頑張ります!! (3月17日 18時) (レス) @page7 id: b4309dff72 (このIDを非表示/違反報告)
手塚なな(プロフ) - ヤンデレっていいですね!!更新楽しみにしてます! (3月17日 18時) (レス) id: 308a374679 (このIDを非表示/違反報告)
麗花 - わー!!!満月らすとさん!コメントありがとうございます!!ヤンデレ最高ですよね?!頑張ります!! (3月17日 14時) (レス) id: b4309dff72 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:麗花 | 作成日時:2024年3月16日 21時