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第22話 ページ23

静まり返る三人を背にし、私と幸村先輩は明かりのついた廊下を歩き始める。

時々ギギーッ、と木のきしむ音がする。

気まずすぎて私は黙っていたけど...。


ある程度進んだところで、幸村先輩は止まる。


幸「これ、外してあげるよ。」

私の手錠を触る。

「え...、柳先輩しか、外せないんじゃ...?」

幸「実はさっき、取っておいたんだよね。」

幸村先輩はポケットから銀色に輝く小さな鍵を出した。


幸「今からお風呂なのに、これがあったらのんびりリラックスできないでしょ?」

鍵穴にそれを差し込み回転させると、手錠の動かせる部分をスライドさせて外してくれた。

のんびりする気は更々ないけど...。自由になったのはいいことだ。

「あ、ありがとうございます...。」

幸村先輩は笑ったまま動かない。
何かを待っているみたいだ。

「あの...、幸村先輩...?」

幸「精市って、呼んで。」

目を開けて真っ直ぐに私を見つめる。
なんとも言い表すことのできない威圧感があり、命令されているみたいだ。


「せ、せい、ぃ...。」

恥ずかしさなのか、嫌だからなのか、うまく言えない。

幸「よく聞こえないよ。ほら、もう一回。」

言われるがままに口を動かす。

「精、市...。」

幸「良くできました。」

幸村先輩は私を抱き締めて頭を撫でてくる。
怖いとしか思うことができず、私の体は震えていた。

幸「あれ、恥ずかしいの?フフっ。大丈夫、すぐ慣れるから。」

精市...。幸村先輩のことを、これからはそう呼ばなければならない。
一度言われたことをこなさなければ、何をしてくるか分かんないから...。


幸「あともうひとつ、いい?」

「なん、ですか...。」

私が答えると、幸村先輩は私から離れ、そしてまた私を見つめた。

幸「見返りを求める訳じゃないけど...。今日からは俺と寝よう?」

首を少し傾けてお願いしてくる幸村先輩。

後ろに?がついて、こちらに選ばせてくれているみたいだが答えは一つしか用意されていない。

「分かり、ました...。」

幸村先輩には、絶対に逆らっちゃいけない...。返事をしてはダメだと分かっているけど、今はこうするしかなかった。

幸「そう。よかった。」

目的を達成したのか、引き続き私の手を引いて廊下を歩いていった。

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幸村はなんていうか、支配してきそうですよね...。
そこもヤンデレの良いところ!

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麗花(プロフ) - ももかさん» ももかさん!コメントありがとうございます!!仁王君はあんまりヤンデレにならなそうな人だったので!!でもまだまだ絶望に叩き落とすつもりです!ヤンデレは救いがないのが好きです! (3月20日 23時) (レス) id: b4309dff72 (このIDを非表示/違反報告)
ももか(プロフ) - 全部見たけどおもしろーい!!また更新されたら見ます!夢主ちゃんに希望があってよかった、、!! (3月20日 21時) (レス) @page31 id: 44e7241b69 (このIDを非表示/違反報告)
麗花 - 手塚ななさん!コメントありがとうございます!!全イケメンがヤンデレになってくれたら嬉しいですよね〜!更新頑張ります!! (3月17日 18時) (レス) @page7 id: b4309dff72 (このIDを非表示/違反報告)
手塚なな(プロフ) - ヤンデレっていいですね!!更新楽しみにしてます! (3月17日 18時) (レス) id: 308a374679 (このIDを非表示/違反報告)
麗花 - わー!!!満月らすとさん!コメントありがとうございます!!ヤンデレ最高ですよね?!頑張ります!! (3月17日 14時) (レス) id: b4309dff72 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:麗花 | 作成日時:2024年3月16日 21時

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