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第13話 ページ14

〜数時間後〜


鎖の金属音と、制服での寝心地の悪さで目が覚める。


「ん...」

スマホの時計を見れば、すでに20時をまわっていた。

部屋は真っ暗。月の光さえ入ってこない。


「(本当に私、弦一郎さんの家に...)」

することもなく布団のシワを眺めていると、ふすまがあいた。


「!!」

真「目は覚めたようだな。」

廊下からの明かりが差す。
私が寝ている間に、弦一郎さんは浴衣に着替えていた。


「...まぁ...。」

真「制服は動きづらいだろう。これを着ろ。」

そういって私に浴衣を差し出してくる。

着方なんて知らないし、着たくもないのに...。

私が弦一郎さんを無視していると、彼は近づいてきた。


真「その枷があるから、自分で着られんのか?」

半分正解、半分不正解...。

「...。」

頑なに無視を決め込むと、むぅ...。と漏らし、私の足枷に触りはじめた。


真「今から飯もある。それは外してやろう。」

「(!?やった...!!)」

弦一郎さんは足枷を手際よくとりはじめる。

久し振りの自由に足をバタバタさせていると私をまた、抱き締めてきた。
いつもよりも明らかに抱き締めてくる回数が多い。...もう、弦一郎さんは弦一郎さんじゃないのだけれど。

石鹸のいい香りが、私の鼻をくすぐる。もうお風呂は済ませたのだろう。



















真「俺から離れないでくれ。」


不思議と、さっきまでの恐怖はない。また悲しそうな声だ。
そういうのには、弱いんだよね...。

どうすればいいのか分からずにいると、弦一郎さんは私の手を掴み、そのまま自分の背中に回すよう促した。

真「反抗をする気はもうなくなったのか?」

意地の悪いように声色が変わった。

ハッとして、慌てて弦一郎さんから離れる。


足枷は外れているし、スマホもポケットに突っ込んだ。鞄は...今はいい!!

逃げる準備はできている。開いたふすまを目指して急いで走った。




しかし、横目で見ても弦一郎さんが追いかけてくる気配はない。

何かおかしい。閉じ込めたりはするのに、こんなにあっさり諦めるの...?

「(なんにせよチャンス!!!)」

玄関へ続く廊下を走る。曲がり角を曲がればすぐそこの位置に、玄関はある。


無我夢中で走っていると、前から来た誰かにぶつかった。

「わっ?!?!ご、ごめんなさい...!!」

弦一郎さんの家族にぶつかってしまったのだろうか...?






ん、?家族...?もしかしたら...!!

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麗花(プロフ) - ももかさん» ももかさん!コメントありがとうございます!!仁王君はあんまりヤンデレにならなそうな人だったので!!でもまだまだ絶望に叩き落とすつもりです!ヤンデレは救いがないのが好きです! (3月20日 23時) (レス) id: b4309dff72 (このIDを非表示/違反報告)
ももか(プロフ) - 全部見たけどおもしろーい!!また更新されたら見ます!夢主ちゃんに希望があってよかった、、!! (3月20日 21時) (レス) @page31 id: 44e7241b69 (このIDを非表示/違反報告)
麗花 - 手塚ななさん!コメントありがとうございます!!全イケメンがヤンデレになってくれたら嬉しいですよね〜!更新頑張ります!! (3月17日 18時) (レス) @page7 id: b4309dff72 (このIDを非表示/違反報告)
手塚なな(プロフ) - ヤンデレっていいですね!!更新楽しみにしてます! (3月17日 18時) (レス) id: 308a374679 (このIDを非表示/違反報告)
麗花 - わー!!!満月らすとさん!コメントありがとうございます!!ヤンデレ最高ですよね?!頑張ります!! (3月17日 14時) (レス) id: b4309dff72 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:麗花 | 作成日時:2024年3月16日 21時

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