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乗り込んだ電車はそこそこ人が多くて座れなかった。
ま、いっか。
ぼーっと流れる景色を見てたら見慣れた制服の男の子達が乗り込んでくるのが見えて、もう高校かーって思った。
なにを考えるわけでもないこの時間が好きだったりする。
揺れた衝撃でバランス崩してよろけるくらいぼーっとしてた。
ちょっと恥ずかしくて顔隠すように髪の毛整えて窓に反射する自分を見たらすぐ後ろに立ってる人と目が合った。
それは口元に手をあてて静かに笑ってる目黒君。
「びっくりしたー、声かけてよ。」
「ははっ、いや音楽聞いてたから邪魔しちゃ悪いなーって。」
イヤホン外しながら隣に並んで話しかけるとそんな答えが返ってきた。
すごい気を使える人なんだな。
年下なのに感心する。
「部活?」
「そうっす。サ」
「あ、待って!当てる!」
「ぷっ、サまで言いましたけど。どうぞ?」
「サッカーでしかないじゃん。」
おっきいからバスケかなって思ったけど、結構焼けてるしそりゃサッカーだわって納得。
うるさくならないように笑い堪えてるのを横目で見ながらまたモテ要素見っけたって思った。
「A先輩は?」
「バイトだよー。カ」
「あーあー!俺当てます。」
「ふふっ、カまで言ったけどどうぞ?」
「か、か、か...、かきあげ屋さん!」
「なにそれ!ピンポイントすぎない?」
独特なチョイスが面白すぎた。
「俺今めちゃくちゃ腹減ってて...、」
「それなら唐揚げとかのがよくない?」
「今日てんぷらの気分なんすよ。」
知らないよって笑ってたら座ってるおばさまに睨まれて咳払いされたから慌てて2人で謝った。
ぺこって頭下げて隣見たら目黒君もこっち見てておんなじタイミングでしーって人差し指立てるからまた笑いそうになる。
必死に我慢したけど。
「あ、次降りる。」
「A先輩ここなんだ。」
「目黒君は?」
「もうちょい先っす。」
「そっか、じゃまたね。」
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ちくわ(プロフ) - ゆうもさん» ありがとうございます。楽しんでいただけたら嬉しいです。 (3月26日 2時) (レス) id: a6fdefa27b (このIDを非表示/違反報告)
ゆうも(プロフ) - ちくわさん!新作待ってました( ´ u ` ) (3月25日 6時) (レス) @page8 id: f486a97741 (このIDを非表示/違反報告)
ちくわ(プロフ) - miwaさん» こんばんわ。わーありがとうございます。引き続きよろしくお願いします。 (3月25日 3時) (レス) @page8 id: a6fdefa27b (このIDを非表示/違反報告)
miwa(プロフ) - こんばんは!ちくわさんの新作また読めるの心待ちにしておりました^ ^ (3月24日 20時) (レス) @page5 id: 826c84b366 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ちくわ | 作成日時:2024年3月24日 7時