４ ページ5
「A先輩って授業中、メガネかけてるんすね。」
１階にしかない自販機にジュース買いに来たら丁度体育終わりの目黒君に声をかけられた。
「目悪くなってきてさー、１番後ろからだと全然黒板見えないんだよ。」
「いいと思います。」
「何が？」
ん？と思って見上げてみたけどなんかにやにやしてるだけで答えは返ってこなかった。
「なんか飲む？」
「いいんすか？」
「先輩がごちそうしてあげよう。」
「あざーす！じゃ次は俺がなんかおごります。」
スポドリのボタン押してほんとに嬉しそうに笑うからすごく良いことした気分になれた。
「さっき聞こえた気がしたんすよ。」
「何が？」
見上げるとまた笑ってて結構この子謎だ。
マイペースなのかな？
「なんか先輩の声が聞こえた気がして...、」
「え？目黒君ってそっち系？」
「どっち系？」
え？え？って困惑してる。
「よくわかんねーけど、直感系っす。」
「ふふっいいと思います。」
私もよくわかんないけど、楽しくてもっと話してたいなって思ったのが正直な気持ち。
顔がいい、スタイルがいい、運動神経がいいとかモテ要素しかないのに、そこに居心地がいいっていうのが＋されたら向かうとこ敵なしになると思うの。
相当前世でいいことしたんだろうね。
「じゃ、またね。」
「またっすね。」
１年生と２年生は階が違う。
なんとなく一緒に階段上がったけどばいばいの場所。
みんなの目黒君、独り占めしちゃってごめんねって思いながら階段をあがると、あ、あの！っておっきな声。
「あの、これ！これ大事に飲みます。」
そう言ってさっきのスポドリ指差してる。
語尾がちょっとごにょごにょしてるの。
あの！が思ったより大きくて自分でびっくりしてるみたい。
「ぬるくなっちゃうよ。」
「でも、大事にします。」
変なの。
スポドリなんて冷たいから美味しいのに。
けどなんか私も変なの。
顔熱くなった。
そんなに真っ直ぐ見ないでよ。
目黒君の視線がこわくて、いつでも買ってあげるからって階段を駆け上がった。
教室に戻って呼吸を整えてると翔太が不思議そうに見てくる。
「なんかあった？」
「んーん。」
「嘘つけ。」
「...階段きつい。」
ほんとになんにもないよ。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 231人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ちくわ(プロフ) - ゆうもさん» ありがとうございます。楽しんでいただけたら嬉しいです。 (3月26日 2時) (
レス) id: a6fdefa27b (このIDを非表示/違反報告)
ゆうも(プロフ) - ちくわさん！新作待ってました( ´ u ` ) (3月25日 6時) (レス) @page8 id: f486a97741 (このIDを非表示/違反報告)
ちくわ(プロフ) - miwaさん» こんばんわ。わーありがとうございます。引き続きよろしくお願いします。 (3月25日 3時) (レス) @page8 id: a6fdefa27b (このIDを非表示/違反報告)
miwa(プロフ) - こんばんは！ちくわさんの新作また読めるの心待ちにしておりました^ ^ (3月24日 20時) (レス) @page5 id: 826c84b366 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：ちくわ | 作成日時：2024年3月24日 7時
