９８ ページ48
「ちょ待って、まじでわかんないわかんない。」
「だよね。」
「いや、まじでなんでいんの？え？本物？嬉しすぎるんだけど。」
日付が変わるまであと３０分。
私は無事に彼の腕の中にいた。
戸惑いながらも確認するように私を抱きしめる彼が愛しくて答えるように大きな背中に腕を回した。
「え、まじでなんで？」
「旅行だよ？」
「旅行？めちゃくちゃ部屋飾ってあんじゃん。」
「旅行ついでに蓮の誕生日もお祝いしようかなって。」
私の計画を話すと笑ってた。
あくまで目的は旅行だよって言ってるんだけど、はいはいって感じでにやけてるからたぶん全部ばれてる。
ホテルが一緒だったことは狙ってなかっただけにほんとにびっくりしたって言うと、運命以外のなにものでもねーなってまた笑うの。
「会えなかったらどうしてた？」
「後日家でパーティーする。やり直すの。」
「ね、なんでそんな可愛いの？どした？俺に愛されるために産まれてきた？」
「逆にどうした？テンションやばくない？」
「すげー嬉しいんだって、俺のためにわざわざ来てくれたんでしょ？まじでありがとう。」
話してたら、あっという間に０時になった。
顔見て直接伝えたかった言葉。
「蓮、誕生日おめでとう。産まれてきてくれてありがとう。蓮にとってすてきな年になりますように。」
「うん、ありがとう。」
「あ、ケーキあるの！待ってね。」
冷蔵庫から出してろうそくに火をつけて電気を消した。
ぽわ〜んとした明かりの中、バースデーソングを歌うとにこにこしながら一緒に手を叩いてた。
ろうそくを吹き消す前、目を瞑ったまま願い事してる顔が可愛くて思わず触れるだけのキスをすると珍しく照れてた。
「プレゼントはこれでーす。」
「おーなになに、イヤホン？」
「そう、これノイキャン機能がすごくて人気なんだって。」
「まじ？めっちゃ使う！」
「あとね、これも。」
結局１個に絞れなくて、バケハとかサングラスとかストールとかいくつあっても困らないようなもので彼に似合いそうなのいっぱい買っちゃった。
「まじで嬉しいよ？嬉しいけどさ、何個あんだよ。」
「全部似合う。格好いい。さすがだ。私これ買いに行った時店員さんにめちゃくちゃ惚気ててさ、大好きなんですねって言われたの。」
「ははっうける、大好きなんだ？」
「大好きなんだ。」
「なんで繰り返した？」
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 656人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ちくわ(プロフ) - とかげさん» 返事遅くなってすみません。嬉しすぎるお言葉ありがとうございます。あと少しお付き合いいただけたら嬉しいです。 (8月5日 19時) (
レス) id: a6fdefa27b (このIDを非表示/違反報告)
とかげ(プロフ) - ひとつひとつの言葉選びにセンスがあってとっても好きな作品です。これからも楽しみにしてます！ (8月1日 21時) (レス) @page42 id: 21364ac4e6 (このIDを非表示/違反報告)
ちくわ(プロフ) - りっぴさん» 返事遅くなってすみません。ありがとうございます。とっても嬉しいです！更新遅いですが頑張りますので今後もよろしくお願いします。 (7月3日 14時) (レス) id: a6fdefa27b (このIDを非表示/違反報告)
りっぴ(プロフ) - こんばんは。真夜中に眠れずふと検索からこの作品に辿り着きました。言葉の一語一句が好みの言葉でどれもドストライクです！展開が楽しみです☺︎更新楽しみにしてます！ (6月30日 20時) (レス) id: 4352324f05 (このIDを非表示/違反報告)
ちくわ(プロフ) - 千星さん» そんな風に言っていただけて本当に嬉しいです。こちらこそありがとうございます。頑張ります！ (6月25日 3時) (レス) id: a6fdefa27b (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：ちくわ | 作成日時：2023年6月12日 5時
