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人がいない場所、時間帯を狙って行った初詣。
屋台とかもないしすごく静かで。
でもそれが逆に隣を歩く彼の存在を確かに感じられて幸せだった。
歩くたびにじゃりじゃりって鳴る足音が心地よくて、私が作曲家ならサンプリングして１曲作るのにな。なんて思ったり。
まぁそんな才能はないし、なんならそういう曲はもうあるのかも。
大好きな人との思い出だもん。
永遠に残したいって思うのは当たり前の感情だと思う。
それくらい嬉しくて楽しいんだよってこと。
「あ、大吉だ。家族で引いたときは中吉だったからよくなったよ。」
「っしゃ！俺も大吉ー。」
「縁起良いね。」
「一緒にいるからだ。」
ねって笑い合って家に帰って、映画観たりまったり過ごした。
この日だけじゃなくて少しでも時間が出来ると会いに来てくれた。
１時間だけでも２時間だけでも貴重な時間を使って会いに来てくれた。
東京に戻ったタイミングとか仕事の合間とか私にも仕事があるから全部に答えられるわけじゃなかったけど。
ずっと変わらない優しさ。
だから私もなにか返したくて、でも何が正解かわからなくて普通でいることを心掛けた。
仕事の事は詳しく聞かなかった。
次こんなことするんだってさらっと話す時もあったけど、すごいね！頑張ってるね！って伝えるだけ。
ほんとはめちゃくちゃ聞きたかったけどね、お相手は？とかさ。
嫉妬っていうよりミーハー心？
すごく興味深い話で彼が演じるとどんな風になるんだろう、みたいな。
別人とまでは言わないけど、今目の前で笑う彼を信じていたいから。
寒いねって言いながら星を見る時間が１番好きだったから。
「ね、俺の事好き？」
いつもみたいにベランダで星見てたらぼそって呟いた。
「急だね。どしたの？」
「俺さ、Aのこと考えてるとこの辺がぎゅーってすんの。」
自分の胸の辺りを掴んでそんなこと言う。
「それは苦しいってこと？」
返事はなかった。
空を見上げたまま何かを考えてるみたい。
「...俺が２人いたらいいのにな。」
理解してあげることが出来ない悩み。
お芝居だってダンスだって時間は待ってくれないんだもんね。
そんな時くらい私のこと心から追い出しちゃえばいいのにさ。
「しんどい？」
「あーかっこわりーな、俺。」
ははって空笑い。
そんなことないよって言うのは簡単だけど違うと思った。
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ちくわ(プロフ) - とかげさん» 返事遅くなってすみません。嬉しすぎるお言葉ありがとうございます。あと少しお付き合いいただけたら嬉しいです。 (8月5日 19時) (
レス) id: a6fdefa27b (このIDを非表示/違反報告)
とかげ(プロフ) - ひとつひとつの言葉選びにセンスがあってとっても好きな作品です。これからも楽しみにしてます！ (8月1日 21時) (レス) @page42 id: 21364ac4e6 (このIDを非表示/違反報告)
ちくわ(プロフ) - りっぴさん» 返事遅くなってすみません。ありがとうございます。とっても嬉しいです！更新遅いですが頑張りますので今後もよろしくお願いします。 (7月3日 14時) (レス) id: a6fdefa27b (このIDを非表示/違反報告)
りっぴ(プロフ) - こんばんは。真夜中に眠れずふと検索からこの作品に辿り着きました。言葉の一語一句が好みの言葉でどれもドストライクです！展開が楽しみです☺︎更新楽しみにしてます！ (6月30日 20時) (レス) id: 4352324f05 (このIDを非表示/違反報告)
ちくわ(プロフ) - 千星さん» そんな風に言っていただけて本当に嬉しいです。こちらこそありがとうございます。頑張ります！ (6月25日 3時) (レス) id: a6fdefa27b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ちくわ | 作成日時：2023年6月12日 5時
